大阪市立幼稚園の廃止問題と反対運動特集:MBS

 毎日放送の夕方ニュース番組『MBS VOICE』が2012年10月12日の放送で、統廃合の危機に揺れる大阪市立津守幼稚園(西成区)の問題を特集した。

 大阪市の担当部局は2007年から、統廃合も含めた津守幼稚園の再編策を検討してきた。再編の話が持ち上がって以降、地域で幼稚園に通う年齢の児童を持つ保護者からは「廃園になるのなら」と入園を避ける傾向も生まれ、3歳児募集が打ち切られたことがその傾向に拍車をかけたという。

 一方で保護者や地域住民は大阪市の廃園方針を批判し、廃園方針の撤回を求めた。地域にある唯一の幼稚園でもあり、他の幼稚園に通園するには遠すぎること、私立幼稚園の半分から3分の1の経済負担で済む公立幼稚園であること、幼稚園をなくすことは地域をつぶすことにもつながることなどを指摘した。また地元住民を中心に約1万7千筆の署名を集め大阪市に提出した。

 大阪市は橋下市政になった2012年3月、地域の子どもの数自体が少なく需要が見込めない・津守幼稚園を廃止しても児童は西成区内の他の幼稚園でも受け入れ可能として、2013年度より募集停止することを決めた。

 大阪市は橋下市長の意向のもと、保護者に対して「2013年度4歳児の入園希望者を定員の7割・24人以上集めれば、同年度の園児募集をおこなう」という条件を突きつけた。「幼稚園のニーズがあるというのなら保護者が証明しろ」ということである。保護者は地元の津守地域や、通園可能距離にある隣接地域を回り、園児募集を訴えた。その結果、期限までに24人の入園希望者が現れ、2013年度の募集が決定した。

 しかし橋下徹大阪市長はマスコミ取材に対し、「今回は特例措置。全学年で7割以上にならないと廃園する」など、『VOICE』の放送内容への攻撃も含めて延々30分近く述べた。

 大阪市は廃園先にありきの対応で園児募集やニーズ掘り起こしに消極的で、行政の役割を放棄して「ニーズがあるなら保護者が証明しろ」などと筋違いの要求をおこない、実際に証明されればこのような攻撃をおこなう。嫌がらせといってよいのではないか。

 これは個別の場所で起きた話ということにとどまらない。橋下市政のもとで幼稚園統廃合や民営化を強く推進している大阪市では、どこの地域でも「定員充足率が低い」と難癖をつけられて同じような問題が浮上することになりかねない。