桐生いじめ自殺からまもなく2年

 群馬県桐生市立新里東小学校6年の女子児童が2010年10月23日に自殺し、背景にいじめがあったことが指摘されている問題で、遺族の近況を伝える記事が朝日新聞と毎日新聞のウェブ版にそれぞれ掲載されている。

 遺族が群馬県や桐生市を訴えている民事訴訟では、遺族側の意向と代理人弁護士側の対応が食い違い、2012年7月に代理人弁護士との契約を解除した。審理は事実上中断する形になったが、新しい代理人弁護士に依頼して2012年10月15日に非公開の弁論準備手続きが実施され、審理が事実上再開した。
 遺族側は金銭的にもきつい状況にはなっているが「真実を知りたい」「児童は言葉の暴力で殺された。いじめを認め、謝ってほしい」と訴えている。
 自殺した児童の2歳年下の妹は小学校6年に進級した。妹は修学旅行から帰宅後、楽しそうに修学旅行の思い出を語ったという。その様子に、両親は児童の2年前の自殺直前の様子を重ねあわせている。自殺した児童は修学旅行から帰宅後「みんなが『何か変なことしないか』って私のことを見てる気がして、緊張してご飯をあまり食べられなかった」など、いじめをうかがわせるような内容を話していたことに触れ、「修学旅行先は妹と同じ場所だったが、自殺した児童はご飯すら好きなように食べることができず、すごく嫌な思いをした」と振り返っている。
 遺族一家は自殺事件から約1年後の2011年秋、群馬県外へ引っ越した。地域では「(一家の住む)部屋のおはらいをしてほしい」「裁判はカネ目当て」など心ない嫌がらせを受け、きょうだいが登校を渋るような状況にもなり、きょうだいもいじめに巻き込まれることを避けるためにやむなく引っ越したという。
 県や市がいじめを認めないことで、遺族への二次被害が生まれている形になっている。これまでに発見されている複数の状況証拠からは、自殺した児童へのいじめがあり、それが自殺の引き金になったことは容易に推定できるのではないか。県や市はいじめを早期に認め、しかるべき対応をすべきではないだろうか。
(参考)
◎桐生の小6女児自殺:いじめ訴訟、手続き再開 両親側、因果関係の認定求める /群馬(毎日新聞 2012/10/16)
◎桐生小6女児自殺 まもまく2年(朝日新聞 2012/10/16)