学力テスト学校別成績市長判断で公表:大阪・泉佐野市

 大阪府泉佐野市の千代松大耕市長は10月2日、大阪府が実施した共通学力テストについて、市内の小中学校の学校別成績を市長判断で公表した。

 小規模校の1小学校を除く市内の全小中学校について、各教科別の平均正答率、市平均・府平均を公表した。
 平均点を公表しても、一人一人の児童・生徒の向上には全くつながらない。むしろ平均点が学力の全てかのように矮小化され、平均点を元にした学校別順位がそのまま学校の序列となり、児童・生徒が競争で疲弊したり地域差別・学校差別的な望ましくない状況が生まれ、教育活動に悪影響が起きることになる。これは、すでに地域学力テストの学校別成績を公表している東京都の一部自治体などでは実際に発生していることである。
 2006年6月3日、衆議院教育基本法に関する特別委員会で、笠井亮衆議院議員(日本共産党)が東京都での具体例をあげ、当時の小坂憲次文部科学大臣に質問をおこなっている。

衆議院教育基本法に関する特別委員会(2006年6月3日)
○笠井委員 それではさらに、法案の第十七条にある教育振興基本計画とのかかわりで、全国的な学力調査、学力テストの問題について伺いたいと思うんです。
 総理は本会議で、平成十九年度、来年度から実施するということで答弁をされました。
 そこで、既に学力テストを実施している東京都がどういう実態になっているかという問題についてであります。(中略)
 例えば、これはその学力テストの結果を報道した新聞で、産経新聞なんですけれども、東京面にこういう形で結果が出まして、東京の区市町村の順位が一位か ら最下位の四十九位まで一覧で出されております。もう一つは、これは区の名前はA区というふうにさせていただきますが、A区の場合は、独自に学力テストをやりまして、そしてその結果について区のホームページで、こういう形で、小中学校別に平均の到達度のランクづけが一位から最下位までされている。学校が全部ランクづけされているわけです。
 こういう中で、都内の小中学校の教員や父母の方々から話を聞きますと、子供がクラブ活動の大会に行った、そしたら、ほかの学校の生徒から、あなたの学校は一番ばかな学校なんでしょう、こう言われてショックを受けてきた。あるいは、みんなに迷惑をかけるからテストの日は休んだという子供もいる例があって、本当に子供の心が傷つけられているというふうに思いますが、小坂大臣、東京のこういう実態があるということについては御存じだったでしょうか。
○小坂国務大臣 今御紹介をいただきましたような東京都の学力テストでございますけれども、東京都は東京都として独自に、児童生徒の学力向上を図るための調査という形で、先ほど御提示をいただいた、国語、算数といいますか数学、それから社会、理科、英語、英語は中学のみと聞いておりますが、及び意識調査という形で実施をしておって、十五年、十六年、十七年、それぞれ、中学二年、あるいは小学校五年と中学二年の全員とか、小学校五年と中学二年については十六、 十七と継続して、経年的な変化も見るということなんでしょうが、こういうふうに実施をしていることは承知をいたしておりますし、この学力調査が子供たちの 学力の向上や学校教育の充実に役立っているものと考えるわけであります。
 しかし、今御指摘がありましたように、学校別に順位づけを行って、それを公表するということについては、私は慎重であるべきだと思っております。
○笠井委員 役立っているという問題も指摘されながら、順位づけは問題だとおっしゃいましたが、私は東京の現実というのは非常に深刻なことになっていると思うんです。
 学校では、テストの前にプレテスト、それからプレプレテストというのがあるところもありますし、学力テストの学年になると補習や宿題ばかりあって、テストが終わると子供がへとへとになる。中には気分が悪くなって吐いちゃう子供がいるということがあると。子供に大変な負担になっております。テストばかり。もっと普通の授業でちゃんと教えてほしいという声もありました。
 成績下位の学校は、校長が教育委員会に呼ばれて指導されるケースもある。
 さらに、学校選択制や学区の自由化と結びついて、成績上位の学校が、例えばマンションや不動産の販売の売り物にさえなっている、有名校と宣伝するということで。そういうこともあって子供が集中するという学校ができたり、一方で、この前もありましたが、都内の幾つかの区では新入生ゼロの学校が生まれる。
 学力テストが子供たちや学校、家庭に深刻な問題をもたらして、学校の荒廃やモラルハザードにもつながるという問題、明らかだと思うんです。

 6年も前にすでにこのような実態が告発されているのに、そういうことを泉佐野市で再現する気なのだろうか。