天王寺区長直通いじめ相談電話:大阪市公募区長

 大阪市天王寺区は8月28日、公募で就任した水谷翔太天王寺区長が直接児童・生徒からのいじめ相談を受け付ける専用電話を開設すると発表した。

 電話は9月1日より受け付ける。区内在住か、区内の小中学校に通う児童・生徒を対象にし、区長が携帯電話で24時間受け付ける。所用などで電話を取れなかった場合は着信履歴を見て折り返しかけるという。

 一見すると悪くはないようには見える。しかし素人の思いつきレベルに近く、安易な方法でおこなうと事態をこじらせてしまうのではないか、いじめへの対応を軽く考えすぎているのではないかという不安がある。

 水谷区長は大学では政治学専攻でNHK記者出身、教育の専門畑ではない。いじめ問題はデリケートな問題で被害者にとっては緊急の問題なだけに、専門的な知識や経験などを踏まえ、子どもの実態に寄り添った慎重な対応も必要である。時代劇やヒーロー物などのテレビドラマのように、悪役を倒すなど定型的な対応をすれば一件落着という単純なものではない。

 専門家のはずの教師ですら対応を誤ってこじらせて大問題になることもあるのに、素人が安易に手を出して突っ走って見当違いのアドバイスでもされると目も当てられないことになる。

 また区長職の片手間に電話相談を受け付けられるほど、時間面でも余裕があるのだろうか。

 退職教員・教育学や臨床心理などの研究者・フリースクール関係者などいじめ問題に詳しい専門家を相談員に委嘱しての相談電話開設ならわからなくもない。しかし区長直通では単なるパフォーマンスに終わる危険性があるのではないか。

(参考)
◎大阪市天王寺区報道発表資料「いじめ相談 区長直通ダイヤルを開設します」(2012/8/28)