学校選択制見直し動き広がる

 Benesse教育情報サイト2012年8月20日配信記事として『全国で見直しの動き広がる「学校選択制」 災害対策の問題指摘も』が掲載されている。

 大阪市では学校選択制の導入が検討されているが、全国的にはむしろ見直しの傾向にあると指摘する記事。

 2000年代前半には学校選択制導入は一種のブームになったが、2000年代後半になると弊害が目立つようになり、一度導入した自治体でも廃止や見直しに踏み切る事例が増えている。また新規導入を検討する自治体は年々減少傾向にある。

 学校選択制のブームが終焉し見直しが進んだ理由としては、記事では以下のようなことがあげられている。

  • 各学校の特色を比べて、というよりも、自宅からの距離や友達と同じ学校など個人的な事情で選ぶことが多い。
  • 『あの学校は荒れている』といった風評や口コミに左右される
  • ただでさえ少子化が進んでおり、そのうえに学校選択制で児童・生徒数が偏ってしまっては、将来的な学校存続の見通しが立てにくくなる。
  • 地域との関係の希薄化
  • 災害時の対策・緊急時の安全確保

 学校選択制は、推進派の思惑通りに機能していないのがわかる。

 現在強力に学校選択制導入が進められている大阪市では、約3分の1の小学校の廃止計画と学校選択制がセットになり、「不人気校」を口実とした学校廃止につながる危険性が高い。近くに学校がなくなる地域だと「子育てに不便」となり、特に子育て世代の居住には不人気の地域となって地域自体にも影響を与えかねない。

 学校間の特色や自由競争を前提とした学校選択制は、全国的にうまくいっていない。そもそも義務教育である小中学校の場合、どこに行っても必要な教育が受けられるという前提で、その上で特色などは地域の実情や児童生徒・教職員の個性などに裏打ちされたものになってくるのではないのだろうか。上位校への進学に強いとか、スポーツ強豪校とか、そういう意味で「優秀」な児童生徒を集めるような「特色」は義務教育段階にはなじまない。

 自由競争・自由選択の発想に基づいた学校選択制ではなく、必要な場合は就学校指定変更制度の柔軟な活用で十分ではないだろうか。

スポンサードリンク