毎日社説:全国学力テストに疑問見解

 毎日新聞が2012年8月10日付で『社説:学力テスト 調査のための調査では』とする社説を掲載し、現行の全国学力テストのあり方に疑問を投げかけている。

 2012年度より調査科目に理科が追加されたものの、文部科学省は「理科離れ」が「確認」できたとしたことに、「「確認」が成果であっては、いかにも心もとない。子供たちの理科離れ、理科嫌いといった傾向は既にさまざまな国内外の調査などで明らかだ。肝心なのは、「離れ」させない、きめ細かな対策の方だ。 」と疑問を投げかけている。
 また全国学力テストで地域間・学校間の順位競争をもたらすことや、テスト結果の事後活用による授業改善が主眼とされているにもかかわらずほとんど活用されていないことなどを指摘している。
 その上で以下のようにまとめている。

 これまでのテストは状況を「確認」こそすれ、新傾向を浮かび上がらせたとはいい難い。その意味でも、テストは実施するにしても間隔を空け、抽出方式で足りるだろう。
 毎年要する巨費は、読解力や理科教育の拡充など、もっと具体的で手厚い施策に回してはどうか。

 もともと全国学力テストは、地域間・学校間の競争をす試飲するために導入が図られたものである。学校現場や教育研究者はじめ世論の反発や、国会での質疑を経て、文部科学省は「一人ひとりの到達点を見る」「事後活用による授業改善」など後付け的に導入理由を付けざるを得なくなった。
 しかしもとが競争の導入目的だから、後付けの理由で取り繕っても、実質的には後付けの理由すら骨抜きにしようという動きとの攻防の中で、競争と序列化の本質は隠せなくなっている。テスト結果の分析も目新しいものではなく、他の調査でも十分裏付けられているような内容しか出ていない。
 現行方式での全国学力テストは費用だけがかさんで得るものも少なく、むしろ望ましくない現象ばかりが残ってしまうだけなので、中止すべきであろう。調査目的のテストまでは否定出来ないが、調査目的ならば、間隔を開けたり抽出率をもっと下げるなど、他にやり方がある。

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