学校選択制:大阪市公募区長へのアンケート

 朝日新聞社が2012年7月、大阪市の公募区長(当時は就任予定者)を対象に学校選択制についてのアンケートを実施し、結果概要が2012年8月4日付の朝日新聞で公表されている。

 アンケート実施時点では氏名未公表だった中央区を除く23区長(予定者)に対し、17人から回答を得たという。
 学校選択制については、北・都島・西・大正・天王寺・浪速・東淀川・鶴見・住吉・東住吉の10区長がアンケートで賛成した。この他生野区長は「導入を目指すのが公募区長のミッション」と事実上導入推進の方針を示唆した。6人が保留し、反対を表明したのは0人だった。
 橋下徹市長の意に沿う人物が区長に選ばれたとか、区長の立場上表立って市長に異を唱えにくいとか、そういうのもあるのだろうが、アンケート自体は想定内であろう。
 賛成意見としては、中川暢三北区長が「受け手に選択の自由が保障されることが公共サービスの望ましい姿」、都倉尚吾鶴見区長が「学校が競争し質の向上をはかる」などとしている。
 また選択の基準として全国学力テストの成績を公表することも、9人が賛成している。
 しかし学校選択制が目指す学校間競争は、学力テストの成績など一面的な数値に基づいた評価しかされず、ひとりひとりの子どもにとって必要な学校の質の向上とは成り得ない場合も多い。
 学校選択制と学力テストの成績公表が結びついた地域では、学力テストの学校平均点を上げるため通常の授業をつぶして模擬問題ばかり解かせた、成績の振るわない子どもや知的障害児を学力テスト当日に欠席させた、試験監督の教師が受験中の児童・生徒に解答のヒントを与えたなどの事象が、実際に発生している。
 テスト成績や有名高校への進学者数、部活動大会の成績など目に見えるものばかり評価し、いじめなど望ましくないものは対処されずに存在そのものを隠蔽されたり被害者を排除したりする傾向が加速するのではないか。
 教育的にも問題が多く他地域では見直されるほどのものをあえて導入するようなこと、また住民の意見も反対の声が圧倒的に多いのに少数の政治的思惑で導入しようとしていることなど、考え直さなければならない課題は多い。
(参考)
◎大阪の公募区長、ほぼ半数「学校選択に賛成」 本社調査(朝日新聞 2012/8/4)