高校履修単位不足問題、全国に広がる

 高校での履修単位不足問題で、必修科目の未履修など不適切な扱いをしていた高校は、文部科学省や各都道府県教委・新聞社などの集計を総合すると、判明した分だけでも41都道府県・約400校(10月28日現在)にのぼっていることが分かりました。

 「地理歴史科で、世界史を含めて2科目以上選択履修しなければならないところを1科目しか履修させなかった」という当初発覚した問題は、全国的に確認されたということです。また地理歴史科のほかにも、家庭科や情報科・芸術科などの必修単位を受験科目に振り替えていた例もありました。
 大学受験対策としてこのような措置をとっていたということですが、こういったやり方は根本的に間違っています。
 決して大学受験対策のためだけに高校があるのではありません。地理や歴史の教養は、日本と世界、社会をより生活に、かつ多面的にみるためにも必要です。またそういった力が、未来の社会をよりよい方向につなげる力となります。
 大学受験の地歴科科目は、特に私立大学では、入試日程が多数あることで多数の入試問題を作成しなければいけない制約や、出題する側の大学教員が高校課程を十分に研究できる体制が必ずしもとられていないこと、入試問題を作成できる教員自体が少ないなどから、「高校の学習内容を大きく超えた高度な内容が出題される」「どんな学力を測りたいのか意図が極めて不明な珍問・奇問が出題される」という例も多々あります。
 大学入試での極めてマニアックな難問・珍問・奇問の類は、別個の問題として検証されるべきです。
 しかし高校としてはそういう変な問題に対応できる受験学力を付けるよりも、大学入試対策としては「そういう変な問題はどうせほとんどの受験生が解けない。基礎・基本的な問題でケアレスミスをしないことが重要」と割り切って、また「目先の大学入試だけでなく、人格形成を図る」という大局的な視野に立って、必修科目を含めた幅広い科目を履修させることが重要になってきます。