本人申請での親権停止申立認められる:改正民法施行後初

 児童虐待への対応として親権停止を可能にした2012年4月の改正民法施行後、親権停止申し立てが30件以上あり、少なくとも6件以上の本決定や仮処分が認められていたことが、毎日新聞の取材で判明した。被虐待児本人が申し立てて認められたケースも少なくとも1件あった。

 本人申し立てのケースは改正法施行後初だとみられる。毎日新聞では、本人申し立てを行った10代女性について、毎日新聞2012年7月23日付『親権停止:初の本人申し立て…虐待防止、春に改正法施行』は経過を以下のように紹介している。

 女性は母親の再婚相手である義父から性虐待を受け、中学生の時に児童養護施設に保護された。母親に訴えても放置され、ネグレクト(養育放棄)されたとの記憶から保護後も自傷行為を繰り返した。
 その後、支援団体に紹介された弁護士らに励まされ、高校を卒業して施設を出ると、働きながら学ぶ形で進学。母親とは連絡がとれなかったため、施設長が親権を代行して、進学の同意や居住先の身元保証をした。
 ところが今夏までに授業料の減免や進学の申請に親の同意が必要となった。だが「母親を親と認めたくない」との気持ちは強く、弁護士は母親を捜し、親権の辞任を提案。母親は応じると伝えた後、再び連絡が取れなくなり、親権停止の本人申し立てに踏み切った。

 携帯電話契約や進学など、保護者の同意が必要になるケースも多い。通常の児童では全く何でもないことでも、虐待を受けるなどしていた児童の場合は保護者同意が大きな壁として立ちふさがる。
 本人申請での親権停止は、もちろん安易にできることではないが、必要な場合には制度を活用できるようになったことは、子どもの権利という意味では重要ではないか。