地歴科履修不足の波紋

 富山県の高校で、地理歴史科で本来ならば世界史を含めて2科目必修なのに受験対策として1科目しか履修させていなかったことが発覚した問題で、全国的にも同様の高校が多数あることが各種調査で判明しつつあります。

 文部科学省も正式な調査をおこなう方針だということですが、現時点では正確な結果はまとまっていません。各新聞社の調査で、同様の問題が全国的に広がっているということが判明しつつあるようです。
10月26日昼までの集計(10月26日夕刊記事より)

  • 朝日新聞集計:17道県93校
  • 毎日新聞集計:16道県83校
  • 読売新聞集計:18道県98校
  • 産経新聞集計:17道県83校

 地理歴史科での「受験対策での1科目集中履修」という形が大半ですが、公民科や情報科などの必修時間数を削ってほかの受験科目に回していた高校もあったということです。
 現行の地理歴史科の履修方式は、1994年入学の生徒以来適用されているものです。しかし全国的に受験対策を優先して1科目しか履修させないという状況が蔓延していたのは、極めておかしなことです。
 受験対策といっても、その先のことを考えなければどうしようもありません。人間や社会のことを深く知り、よりよい社会を作っていくためにも、歴史や地理の基礎的教養は不可欠です。また「受験対策」と称して1科目しか履修させないことは、大学入学後の学習にすらも響きかねません。
 また日本史・世界史・地理の学習内容はそれぞれ一定の関連があり、また関連づけて学ぶことで立体的に全体像が見えてくるものです。全体的に学ぶことで、結果的に受験対策にもつながってくるものだといえます。
 地理歴史科を1科目しか履修させないのは、生徒のためかのような措置をとりながら、実際は生徒のためにはならない措置だといえます。