宮城県立蔵王高校事件:和解成立

 宮城県立蔵王高校に2004年度に入学した女性が、「もともと赤みがかった髪にもかかわらず、同校の教員らから黒く染めるよう強要された上、自主退学に追い込まれたのは人権侵害で、精神的苦痛を受けた」として宮城県を訴えていた訴訟は、2006年10月25日に仙台高裁で和解がまとまりました。〔『毎日新聞』2006/10/25〕〔『読売新聞』2006/10/25

 この事件の経過は、以下の通りだったということです。

「体罰」データベース・宮城県立蔵王高校(2004)より引用
 宮城県蔵王町の宮城県立蔵王高校へ2004年度に入学した女子生徒は、生まれつき頭髪が茶色だった。しかしこの生徒は、頭髪を黒く染めるよう教諭から繰り返し強要された。
生徒が髪を黒く染めると、髪が傷んで逆に赤みが増した。それでも教諭はさらに、黒く染めるよう繰り返し強要したという。
 2004年11月には、教諭はこの生徒に対して黒色のスプレーを吹き付けた。さらに2004年12月には、髪の色を理由として「進級は無理」などと、この生徒に対して自主退学を迫った。
 これらの教諭の行為により、生徒は退学を余儀なくされた。
 生徒は2005年4月8日、学校を管理する宮城県を相手取り、仙台地裁に提訴。

 和解の内容は、「宮城県は教員らの行為について非を認めて女性に謝罪し、和解金50万円を支払う」という内容です。
 和解の内容は当然の内容であり、大枠で支持できます。ただあえて苦言をいえば、「宮城県はなぜもっと早く自らの非を認めて速やかな対応をとらなかったのか」という思いはありますが…。
 もともと茶髪だった髪をむりやり染められた、しかも染めていくうちに髪が傷んで髪の状況が悪化した、しかも髪の色を理由に(表向きは「学業不振」口実)で自主退学を迫られて退学を余儀なくされた…、当事者の立場に立ったら、これほどつらいことはないでしょう。
 同じような問題を全国の学校で二度と起こさないこと、これこそが学校・教育の現場に教訓として生かしていかなければならないことだろうと考えます。