世界史と日本史の履修漏れと判定:愛知県立7高校

 愛知県立の7高校で、地理歴史科(社会科)の世界史と日本史について、学習指導要領に定められている内容から意図的に変更した授業をおこなったとして、愛知県教委が履修漏れと判定していたことがわかった。

 明和・瑞陵・惟信・昭和の4校の3年生と、春日井南・東郷・小牧南の3校の2-3年生で、「世界史A」「日本史A」として開講されていた科目を、大学受験対策として実際には「世界史B」「日本史B」のそれぞれの科目の内容に置き換えて開講していた。

 世界史・日本史とも、1994年度以降の学習指導要領ではA科目とB科目に分かれている。いずれもA科目(標準単位2単位)では前近代についてはおおまかな内容にとどめて近現代を中心に学習する。一方でB科目(標準単位4単位)ではかつてのように古代から近現代までの通史を学ぶ科目となっている。

(厳密には、教師が指導に重点を置くポイントなど細かい点も異なるが、学習者や大学受験対策レベルではこのような理解で差し支えない)

 当該校では補習や課題プリントなどで未履修分を対応するという。

 確かに、教員養成系や芸術系などを除く多くの国公立大学のセンター試験科目や、私立大学文系では、地理歴史はB科目のみを受験科目に指定している場合が多い。一方で、カリキュラムでの他教科や教科内の他科目との兼ね合いで、地理歴史科のB科目を履修させるのは時間的に難しい現状もある。

 2006年には、地理歴史科は少なくとも世界史含めて2科目必修のところを、大学受験に有利とされる1科目だけを集中的に履修させる手口での履修漏れが全国的に発覚し問題化した。

 その一方で、今回の場合は世界史や日本史の科目の大枠の中で授業内容を組み替え、世界史や日本史そのものは教えているが細かい科目の学習内容と合致しなかったことが、履修漏れと判定されている。これは教育課程の問題としてもグレーゾーンだが、現場裁量との関係で揉めそうだという気がする。

 今回は大学受験対策の地理歴史科だが、この理屈だと、いわゆる教育困難校で高校レベルの英語や数学の授業ができずに小中学校レベルの基礎からやり直している現状があるのも、履修漏れとみなされてしまうのだろうか。

(参考)
◎県立7高校で履修漏れ 愛知、世界史で近現代学ばず(朝日新聞 2012/7/18)

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