大津いじめ自殺、第2回口頭弁論で自殺との因果関係認める?

 7月14日朝時点の最新の報道によると、滋賀県大津市立皇子山中学校いじめ自殺事件の訴訟で、被告の大津市がこれまでの態度を転換し、7月17日予定の第2回口頭弁論でいじめと自殺との因果関係を認める方向で調整に入ったことがわかったと報じられた。

 この問題では、大津市はこれまでいじめの事実は一部認めたものの、いじめと自殺との因果関係については認めてこなかった。一方で、2011年10月の生徒の自殺直後に調査をおこない、他の生徒からいじめの生々しい実態の証言が多数得られたものの、事実がはっきりしないなどと難癖をつけて裏付け調査せず、また声が寄せられたという事実自体を隠蔽したことが、2012年7月上旬までに明らかになった。
 自らも子ども時代にいじめ被害の経験があるという越直美大津市長は7月になって隠蔽の事実を把握したとされ、過去の調査がずさんで訴訟の前提が崩れたとして、外部の調査委員会を設置して事実関係を再調査した上で、裁判ではいじめと自殺との因果関係を認める方向で和解したいという方針を明らかにした。
 一方で澤村賢次教育長は「いじめと自殺との因果関係は不明」だの「要因のひとつで家庭環境にも問題があった可能性がある」だのと、いじめと自殺との因果関係を曖昧にする主張を繰り返し、市長の意向と相当食い違う内容となっている。
 澤村教育長の発言では、自殺原因を「いじめ以外の要因」に責任転嫁し、心ない人間がありもしない「家庭問題」を勝手にでっち上げて地域社会で噂を流して被害者家族を孤立させることを狙っているとしか思えない。実際に他で起きたいじめ自殺事件では、学校や教育委員会が今回の大津市教委のような対応をしたことで、心無い噂が流されて被害者家族が孤立させられた例などいくらでもある。
 大津市の対応が今後どうなっていくのかは、正直言って読めない部分もある。越市長が構想しているように、外部の調査委員会できちんと調査して事実を解明した上で、因果関係を認める方向で和解という方向で進んでいくことが理想だろう。あくまでも被害者側の立場にたった対応を徹底すべきで、形式だけ整えながら教育委員会の責任逃れのために骨抜きにしてはいけない。
(参考)
◎大津市、いじめ因果関係認める 遺族と和解方針 (共同通信 2012/7/14)