大津いじめ自殺、教育長が見解

 滋賀県大津市立皇子山中学校いじめ自殺事件で、大津市教委の澤村賢次教育長は7月12日に会見し、いじめと自殺との因果関係について「いじめも一つの要因に入ると思う」 とする見解を示した。

 なお、澤村教育長は5年ほど前、事件のあった皇子山中学校の校長として勤務していた経験もある。
 一見いじめと自殺との因果関係を認めたようにも読める。しかし、これは巧妙な言い逃れの手口にほかならない。
 「いじめもひとつの要因に入る」ということは、「いじめ以外にも要因がある」ということになる。いじめ以外の要因――家庭環境・進路問題・健康問題など個人的な要因――を何の根拠もないのにでっち上げてそちらが主要因かのように風説を流布し、いじめの事実関係を背景に埋もれさせ、加害者や学校・教育委員会の責任を軽くして被害者や家庭が悪いと印象付けるのである。
 これは揚げ足取りではない。過去のいじめ自殺事件でも、こういう論理のすり替えで、一見するといじめと自殺との因果関係を認めながら、実際には骨抜きにして学校や地域ぐるみで被害者を中傷したケースが、いくつも報告されている。
 今回の教育長見解も、その点を考慮する必要があるだろう。