大阪市中学校給食、「前市長は実現できなかった」か?

 橋下徹大阪市長はツイッター上で、大阪市での中学校給食について、平松邦夫前市長が公約に掲げながらできなかったかのように述べた。

 しかしこれは不正確である。大阪市会の議事録を見れば、橋下氏が平松氏を攻撃するために恣意的なことをいっているのが分かる。

 中学校給食導入に関する答弁はいくつかあるが、2011年2月22日の本会議での、共産党瀬戸一正議員の質疑と答弁を引用する。

瀬戸一正議員

 次に、中学校給食の実施についてであります。

 市長は、中学校給食についても24年度から順次取り組み、25年度中に全校実施することを明らかにいたしました。私たちは、この中学校給食については、もうそれこそ何十年来も市民の皆さんとともに大阪市に対して実施を求めてきました。ここに、中学校給食をともに考えましょうという私たちの議員団がつくったパンフレットがありますが、これは15年前のものであります。つい最近まで、教育委員会は愛情弁当論にしがみついて中学校給食の実施に背を向けてきたわけでありますから、大きな方向転換だと言わなければなりません。

 私たちは、目指すべき中学校給食は自校調理方式だと考えます。学校で調理員さんが調理して生徒さんに提供する自校調理方式は、適温提供ができる、できたての温かい給食を生徒さんに提供できるというものです。この点は引き続き要望してまいります。

 今回の決定についてであります。大阪市の全中学校で給食を実施するという点で大きな前進だと、これは評価できます。(以下略)

平松邦夫市長

 中学校給食についてでございますが、私は就任当初より、食育の観点から、選択方式での中学校給食を早急に全校で実施したいと申し続けてまいりました。現在、教育委員会が定めた方針に基づき、家庭弁当との選択制による民間デリバリー方式での中学校給食の実施を目指しているところでございます。その第一歩として、昼食提供事業を市内全中学校で実施するなど、着実に前進しております。

 中学校給食の実施につきましては、市会の決議や市民、小・中学生の保護者からの実施を望む声を踏まえ実施工程の検討を行い、24年度から順次取り組み、25年度中の全校実施に向けて進めてまいります。

 4年間の任期でできなかったと単純に切り捨てられる性格のものではない。紆余曲折や不十分な点がありながらも、4年間で道筋をつけ、2012年度からの実現にこぎ着けたものである。

 2011年9月には補正予算が可決され、中学校給食の実施費用も計上された。しかしその直後の2011年11月の大阪市長選挙では橋下氏が当選した。橋下氏は平松市政の成果に乗っかる形で中学校給食をそのまま実現した。たまたま橋下氏の任期中だっただけで、実質的には平松氏時代の実績だろう。

 その経過を無視して、橋下氏が平松氏を一方的に攻撃するのは筋が通らない。