大学入学金返還訴訟:「返還認めず」最高裁判決

 大学に合格後入学を辞退した元受験生が、大学に前納した授業料や入学金の返還を求めた訴訟については、10月20日の最高裁で「入学金の返還を認めない」とする判決が出ました。〔『毎日新聞』2006/10/20〕〔『読売新聞』2006/10/20

 大学に前納した授業料や入学金については、「授業料返還は認めるが入学金返還は認めない」という流れが、各地の地裁や高裁で定着しつつあります。最高裁が公式にこういった判決を出したことで、今後さらにこの判例が定着するのではないかと思われます。
 「いわゆる滑り止めで受験した大学なのに、本命の大学の合格発表がある前に滑り止めの大学の諸経費納付期限があり、納付しないと合格を無効にされる」というところから、本命大学の不合格の可能性へのプレッシャーから諸経費を納付することもあるため、このような問題も出てきます。私立大学の初年度の諸経費は、数十万~百数十万円単位になり、かなりの出費となります。
 「通ってもいない大学にお金を払うのはおかしい」という意味では、元受験生側の主張は理解できます。その一方で、「滑り止めの大学を受験し、合格して諸経費を納入したのは、誰かから強制されたわけではなく、自分の意思ではないか」などという半ば冷めた見方もできます。
 いずれにしても、今回の最高裁判決が今後の同種の裁判の流れや、大学の入学手続き事務に影響を与えてくることが予想されます。