教育基本条例案を肯定する産経新聞

 産経新聞(web)2011年12月23日付で『橋下イズムの教育基本条例案 違法か独裁打破か』という、何とも珍妙な見出しの記事が掲載されています。

 教育基本条例案については、文部科学省からも違法の疑いが指摘されています。しかしそれに対して「日教組の独裁打破」などという珍妙なものを持ち出し、肯定的な論調となっています。
 記事では、改憲派の反動的憲法学者や、「つくる会」系列の教育学者が、賛成のコメントを寄せていました。単純化すると、「日教組の教育支配・独裁があり教育委員会制度が形骸化した。だから教育基本条例で独裁を打破する」という主張です。

 慶応大の小林節教授は「問題教員を現場から排除できないなど制度が機能しておらず、制度を変える必要がある」と条例案に賛成した上で、「政治的中立という防波堤の陰で日本教職員組合(日教組)が、まさに特定党派の政治的な教育を行ってきた」と制度の“欠陥”を指摘した。

 明星大の高橋史朗教授は「橋下氏の手法を独裁と批判する声もあるが、教育現場では日教組の独裁があり、それを打破する歴史的意義はある」と話す。

 保守・反動派は、具合の悪いことがあると日教組を「仮想敵」に仕立て上げて攻撃することで、自分たちの主張の正当性を訴えようとするのは、いつもの手口です。
 現行の教育委員会制度が十分機能しているとはいえないことは確かでしょう。しかし原因は日教組にあるわけではありません。むしろ逆に、歴代の教育行政が、教育委員会制度を骨抜きにするような施策を繰り返し、保守反動的な政治介入を試みてきたことに、根本的な原因があります。日教組が時々迷走して現場の教職員に背を向けて保守反動的な教育行政に協力した形になったことはあったという意味ではともかく、主因は保守・反動派の施策によるものでしょう。
 制度を骨抜きにした張本人に通じる勢力が、自分やその仲間のへまを棚に上げて、自分たちの失敗を責任転嫁して対立相手に罪をなすりつけるという、非常におめでたいというか、やり玉に挙げられた日教組にとってははた迷惑な構図です。
 また別の視点から見ると、橋下流の手法は、「つくる会」など過激な保守反動勢力の主張とも重なるということにもなります。