柔道指導の安全対策確立を訴え

 毎日新聞2011年12月22日付東京朝刊『これが言いたい:柔道指導の安全対策確立を=全国柔道事故被害者の会副会長・村川義弘

 2012年度より中学校保健体育科で武道が必修化されるのを前に、柔道事故について訴えています。
 近年、学校の部活動で大きな柔道事故が目立っています。中には指導者によるリンチまがいの不適切指導が疑われる事例すらあります。2010年には「全国柔道事故被害者の会」が結成され、当事者として柔道指導の安全性向上を訴えています。
 この文章では以下のように指摘されています。

 活動を始めて分かったのは、柔道関係者の多くが事故に関する知識を持ち合わせていないということ、それどころか、これほど多くの子供たちが柔道で命を落としていることすらも正しく認識されていないことだった。
 柔道は他のスポーツに比べて死亡率が突出して高く、頭を直接打たなくても投げ技で急性硬膜下血腫が発症する「加速損傷」の危険性がある。だが、これらも安全対策さえとれば十分に回避できる。
 柔道そのものが危険なのではない。これだけ重大な事故が毎年発生していながら、多くは不慮の事故として片付けられ、調査もされず、原因究明もされぬままで、事故情報も共有されず、安全対策もとられないままという、柔道を取り巻く環境こそが危険なのだ。事故が多発しているにもかかわらず、その原因究明がおろそかにされていては、事故が減るわけがない。

 指導者が正しい知識を持ち可能な限りの安全対策を取ることで、事故はかなり回避できます。そのためには過去の事故事例に向き合い、事故から教訓を学んでいくことが重要になります。