教育基本条例案:全国的にも拒絶感

 大阪維新の会が大阪府議会と大阪市・堺市の両市議会に提出した教育基本条例案について、毎日新聞が現場の教員や有識者に取材した記事を出しています。

 同紙2011年12月19日付『教育基本条例案:「大阪維新の会」案 各地の教育界に拒絶感 教師「『罰』ありきの印象」/識者は政治介入を問題視』。
 記事によると、条例案については大阪府内のみならず、全国の教員も危惧の声をあげています。

 栃木県立高校の30代の男性教諭は「教員にも生徒にもまったくためにならない」と言い切る。「教員は自分の評価を高めることにきゅうきゅうとし、同僚と協力しなくなり、クラス編成で成績の低い子を押しつけ合うことにもなりかねない」とし、学校の雰囲気の極端な悪化を予想。「そんな職場で働きたくない」と話した。東京都の市立小に勤める男性教諭(34)は東京の実情と比較しながら「石原都政の10年余りで、都教委が教員への管理を強めた結果、特に若手は現場の状況に即していない指示でも、そのまま従うようになった。大阪もそうなるのでは」と懸念。「問題教員もいるが、背景に過密な労働環境があることも知ってほしい。処分強化で学校は良くならない」と訴える。
 千葉県内の公立高校の50代の男性教諭は条例案について「まず『罰』ありきの印象。教育の質向上が目的なら、処分より研修の充実が先ではないか」とし、統廃合も「定員割れを一方的に努力不足と評価するのは乱暴。結果的に行き場のない子供が増える」と疑問視する。しかし「今の学校には批判をはね返す力はない。生徒が活躍することで、教師の仕事を理解してもらうしかない」とも話した。

 教育基本条例案での、学力テストの学校別家か公表や数値目標などの競争原理に基づく学校評価や、教職員への管理強化は、教職員にとっても児童・生徒・保護者にとっても決してよい結果をもたらしません。
 教職員が子どもの方を向かなくなり、自らの評価をあげるために同僚教員との足の引っ張り合いをおこなったり、成績の低い子ども・いじめ・不登校など学校評価にとって「マイナス」とみなされるような事象は放置されたり隠蔽されて学校自体が荒廃していく危険性があります。
 また条例案では、処分について長々と書かれていますが、処分が必要ならばいずれも現行の規定で十分対応できるものです。
 このような条例案では、問題教師への対策どころか、逆にまじめに教育実践に取り組んでいる教師が萎縮し、問題教師ばかりが増殖することになります。