「体罰」隠した校長:大阪府立高校

 大阪府立高校で2005年9月に発生した「体罰」事件に関して、校長が府教委への報告を意図的におこなわなかったとして、当該の校長が文書訓告処分を受けていたことが発覚しました。〔『朝日新聞』2006/10/16〕〔『毎日新聞』2006/10/17

 事件は2005年9月、保健体育科の男性教諭(43)が1年生の体育の授業で水泳指導をおこなっていたところ、男子生徒が授業に集中していないと感じて、感情的になって男子生徒の顔面を拳で殴って軽傷を負わせました。

 この事件に関して校長は、「加害教諭は、教頭に推薦しようと考えているほどの教師。経歴に傷を付けたくない」などとして、大阪府教委への報告をしなかったということです。

 また校長は、被害生徒の自宅を訪問して謝罪しましたが、謝罪の際に「けがの検査にかかった費用」として現金1万円を渡そうとしたということです。生徒の両親は現金を受け取りませんでした。

 校長は2006年度に別の府立高校校長に転任しましたが、新年度になって保護者が新校長に相談したところ、これらの事実関係が発覚したということです。2006年8月に、校長(当時)と加害教諭はともに文書訓告処分を受けました。

 「体罰」事件が発生した際、学校の対応として(1)事実関係の把握、(2)被害者へのケア、(3)加害教員の反省を促す、(4)事件の教訓を明らかにし再発防止を図る、といったことが求められます。

 しかし「体罰」事件を隠すのは、明らかに間違っています。校長が加害教員について「有能」と考えていたのならばなおさら、「有能な(有能だと認識している)教師がなぜ『体罰』をおこなったのか、その教訓を徹底的に明らかにして再発防止を図ること」こそが重要になってくるのではないのでしょうか。

 また校長が、生徒の両親に現金を渡そうとした行為についても、疑問が残ります。

 「校長が生徒の自宅を訪問して謝罪し、両親にエックス線撮影代として1万円を渡そうとしたが断られた(『朝日新聞』2006/10/16)」「校長が自宅を訪れて謝罪した。その際、保護者に治療費として1万円を渡そうとしたが断られた(『毎日新聞』2006/10/17)」という記事からは、この1万円の性質は「学校事故に遭った際に、正規の手続きで支払われる賠償金や保険金」のようなものではなく、「校長の個人的な判断でおこなった、事を荒立てないための口止め料」のような性質を持ったものだったのではないかということが推測できます。

 いずれにしても、このような隠蔽事件をおこなうことは、適切とは言えません。同種事件の再発防止を願います。