教育基本条例:朝日新聞が大阪市教育長に取材

 大阪市教育委員会の永井哲郎教育長は朝日新聞の取材に対し、教育基本条例案の内容について「法的にも運用上も問題があった」と指摘して、橋下徹次期市長と話し合う意向を明らかにしました。

 大阪市の教育基本条例案は一度廃案になっていますが、橋下徹次期市長が市長提案として再提出する意向を示しています。
 教育長は、一律5%の教員に必ず最低評価を付ける人事制度の問題、校長の任期付き公募制、小中学校の学校選択制の問題を指摘しているということです。
 教職員の評価は、定量的な基準や他者との優劣という形では評価できないものです。しかし教育基本条例案のもとで首長の意向に従うことを求める学校運営になり、しかも条例案では競争も求めています。
 ということは、各教員は教育委員会や校長の方ばかり向き、また自分が評価をあげるために他の教職員の足を引っ張るということになりかねません。
 また校長を任期付き公募制にしても、身分が不安定になるとやり手も見つかりにくいでしょう。またマネージメント能力だけを過剰に求め、教育者としての深い知見を持ったリーダーを求めるという視点は全くありません。
 学校選択制についても、学校と地域との結びつきの弱まりを指摘しています。一度学校選択制を導入した地域では、実際にそういうことが起こり、学校選択制を見直す動きも進んでいます。
 しかも学力テストの成績公表など学校間競争とセットになったらどうなるでしょうか。学力テストの平均点が高い学校、地域一番の進学校とみなされている高校への進学者が多い学校、部活動の成績で上位になった学校、交通の便がよかったり校舎が新しい学校などが人気校となり、一方で荒れているとかいじめ・不登校などマイナスの噂が立てば不人気校になるでしょう。地域コミュニティの問題にとどまらず、学校の教育活動自体にも、人気校では過密化での教室不足、不人気校では生徒減と教員減、また競争で「よい学校」とすべく数値を上昇させることへの取り組み、いじめや不登校などマイナス噂の隠蔽など、悪い影響を与えることになるでしょう。
 大阪府や堺市でももちろんですが、大阪市でも教育基本条例は成立させてはなりません。
(参考)
◎学校選択制に「異議」 市教育長、協議へ 教育条例案(朝日新聞2011/12/2)

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