大阪市でも教育基本条例案の危険性

 11月27日投開票の大阪市長・大阪府知事のダブル選挙では、いずれも大阪維新の会の候補、橋下徹氏(大阪維新の会代表・前大阪府知事)が大阪市長に、松井一郎氏(前大阪府議)が府知事に当選確実のニュースが流れました。大阪維新の会は教育基本条例案などを推し進めています。

 選挙に当選したことを口実に、全面委任されたとすり替えて、すでに条例案が提案されている大阪府および堺市でも、また選挙後の早い時期に提案されるであろう大阪市でも、教育基本条例案が強引に押しつけられる危険性があります。
 しかし教育基本条例案自体、上位の法令と整合性が取れない疑いがあり、法令違反の疑いがあることにもなってしまいます。
 また大阪維新の会の市長選マニフェストでは、教育基本条例案に加えて、市立小中学校での学校選択制の導入も打ち出しています。マニフェストによると、小学校では隣接校区との選択制、中学校では学校ブロック単位での選択制を打ち出しています。大阪市議会に出されるであろう教育基本条例案では、市独自の条文として学校選択制なども盛り込まれると予想されます。
 しかし無秩序な学校選択制、とりわけ学力テストの成績公表など数値目標と結びついた学校選択制では、学校間の競争と序列化が進んで学校間格差ができることは、他地域の実例からも自明です。選択基準も地域の噂に加えて、校舎の新しさや立地条件(駅に近い学校が人気、坂の上にある学校は不人気など)、また学力テストの学校別平均点や、地域で進学校とみなされている特定高校への進学者数の多少など、表面的なものにとらわれる傾向も出ています。
 弊害が目立つとして学校選択制を廃止、もしくはきわめて例外的な措置に大幅縮小した自治体も相次いでいます。
 「人気校では校区外からの進学希望者の集中や、元々別の地域に住んでいた家族が入学を確実にするために校区内に転入するなどして、児童生徒が集中して過密化し、特別教室を改装して普通教室に転用するなど教育条件が低下」「人気校への遠距離通学での通学負担・地域コミュニティの低下」「希望校に進学できなかった生徒、不人気校に通う生徒がやる気をなくしたり他校から馬鹿にされたりする」「不人気校では生徒数の減少やそれに伴う教員の減少で教育条件が低下する」「不人気校では児童生徒が集まらなくなり統廃合の対象となる」などが、他地域では実際に起こっています。
 橋下新市長および大阪維新の会は、こんなことを大阪市でもおこなうつもりなのでしょうか。