奨学金:必要としている学生が利用しにくい状態?

 産経新聞(web版)2011年11月21日付で、『奨学金、「本当に困っている家庭」に届かない?』という特集記事が掲載されています。

 記事によると、大学の奨学金について、「家計に余裕のない家庭の子どもほど、奨学金を借りるのをためらう傾向」を指摘しています。
 日本の奨学金は貸与型が主流です。独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金では8割が有利子貸与、2割が無利子貸与となっています。
 この奨学金システムが教育ローンのように作用し、卒業後の就職難や不安定雇用などで低所得となって返済できない状況になることへの不安から、奨学金を借りるのをためらう傾向が出ているといいます。
 記事では以下のように指摘しています。

家計に余裕のない家庭の間では、奨学金を諦めて進学を断念する子どもが増えているのではないかと懸念する声があります。 返済の≪余裕≫がある家庭の子どもが奨学金を受けて、余裕のない家庭の子どもが奨学金を諦めるということがあるとすれば、まさに本末転倒でしょう。

 これは確かに本末転倒であり、異常事態だといえるでしょう。学費もかなりの高額になっている上、奨学金制度も必要な人が利用しにくい状態になる、これでは学びたい人が学ぶことを断念せざるを得ない状態も生まれてしまいます。
 海外では大学の授業料が無料というのが主流です。大学の授業料を徴収する国も一部ありますが、奨学金制度が充実しているために家庭の負担は実質少なくて済むということです。
 また奨学金制度についても、海外では返済の必要がない給付型が主流で、しかも充実しているといいます。
 日本の文部科学省は給付型奨学金制度の創設を決め、2012年度予算案に2万1000人分の概算要求をおこなったということです。しかし実現は不透明な状況です。
 大学で学びたい人が安心して学べるような環境を作っているために、奨学金制度の抜本的改革や学費値下げなど、できる限りの対策を取っていくことが求められます。

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