「教育基本条例案」の問題点 2

 「教育基本条例」案では、学力テストについても言及しています。

 第7条の2では、学力テストの結果について、市町村別・学校別の成績を公表することを義務づけています。

第7条の2 府教育委員会は、常に情報公開に努めるものとし、府内の小中学校における学力調査テストの結果について、市町村別及び学校別の結果をホームページ等で公開するとともに、府独自の学力テストを実施し、市町村別及び学校別の結果をホームページ等で公開しなければならない。

 「情報公開」の一般論はともかくとして、学力テストの成績公表は情報公開の一般論では片づけられない問題です。
 全国学力テスト、および都道府県や市町村単位で実施してきた地域の学力テストで地域別・学校別の成績を公表してきた結果どうなったのでしょうか。学校別・地域別の平均点や順位が学力のすべてかのように矮小化し、学校間・地域間の競争を激化させ、望ましくない問題を生み出してきました。
 他地域では以下のようなものが実際に発生し、国会質問や教育委員会の会議などで公式に報告されたり、新聞報道で取り上げられたりしています。

  • 成績のふるわなかった学校に通う子どもが、他校の生徒から馬鹿にされた。
  • 「ある教科の成績が悪かった」として、保護者や地域住民が地域ぐるみで該当教科担当教師を非難し、教師が転勤に追い込まれた。
  • 結果が悪かったことで生徒が自信を失った結果、生徒間暴力や対教師暴力が頻発した。
  • 当日の点数を上げるため、対策問題・予想問題の類を作成して児童・生徒に繰り返し解答させたり、事前に模擬テストを実施するなどした。
  • 学校の平均点を上げるため、成績のふるわない生徒に欠席するような圧力をかけたり、知的障害児や発達障害児の答案を意図的に採点から除外するなどした。
  • 成績を上げるため、当日試験監督を務めていた教員が、試験時間中に児童・生徒に対して解答のヒントを与えるような行為をした。

 こんな状態は、正常な教育活動とはいえません。他地域で実際に失敗しているにもかかわらず、わざわざこんなものを大阪にも持ち込んでどうするのでしょうか。