学校での性暴力告発映画で再捜査へ:韓国

 韓国の聾学校教師による生徒への性暴力事件の実話を題材にした映画「トガニ」が9月に公開されたことをきっかけに、韓国国内では事件の再捜査を求める世論がおこっているということです。

 事件は2000年~05年にかけて発生しました。被害者は泣き寝入りを強いられる一方で、加害者は執行猶予などの軽い処罰ですんだ上、今でも事件のあった学校に勤務しているといいます。
 映画でこれらの事実が知れ渡ると、再捜査などを求める署名運動が起き、警察当局も特別操作チームを結成したといいます。
 韓国政府は事件のあった学校の閉鎖と、障害児学校の再点検などの策を打ち出したといいます。
 日本でも似たようなことがあったのを思い出しました。ある小学校で、養護学級担任が性暴力を繰り返した上、犯行が発覚すると「障害児だから証言能力はない」と居直り、被害者を攻撃しました。
 刑事裁判では犯行の事実自体はあったと事実上指摘されたものの、「刑事裁判の対象となった個別の事件について時間と場所が十分に確定できなかった」として裁判手続き上「無罪」となりました。
 法的には平たくいえば「本当は有罪判決を出したくても、手続き上無罪にしなければしょうがない」という話でした。しかし加害者は「冤罪被害者」を演じて居直りました。さらに自称「人権団体」が「加害者への報道被害」と見当外れのことを主張し、被害者を攻撃するという問題も発生しました。どう見ても加害者が関与しているとしか思えない内容での事件正当化・被害者中傷サイトや、事件を正当化する「2ちゃんねる」での書き込みなどもありました(もっとも加害者側は逆に「自分が2ちゃんねるで中傷されている」と言い立てているようですが、加害者への中傷書き込みなどどこにもありませんでした)。
 この事件では、民事訴訟では加害者の犯行が全面的認定され、行政側に賠償を命じる判決が確定し、行政側は加害者に賠償額相当の求償をおこなっています。
 学校での教師による性暴力については、厳しく罰せられなければなりません。今回の事件でも、日本と韓国の社会システムや法律体系の違いはあるとはいえども、人道的観点から性犯罪者にはそれなりの措置がとられるべきでしょう。
(参考)
◎映画きっかけ、ろう学校廃校 韓国、障害者学校総点検へ(朝日新聞 2011/10/17)