大阪市此花区柔道事故:指導者に罰金刑

 大阪市此花区の柔道教室で2010年11月、生徒の小学校1年男児に投げ技などを繰り返しかけ死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた指導者(36)に対し、大阪地裁は10月5日、罰金100万円の有罪判決を下しました。

 事故は2010年11月10日に発生しました。指導者は、児童が受け身を十分習得していないことを把握しながら、「受け身の練習ばかりだと飽きて教室を辞めるおそれがある」などとして練習に立ち技を導入し、投げ技を繰り返しかけるなどしました。児童は練習中に体調不良を訴えたものの「ここでやめると根性がつかない」として練習を続け、意識不明に陥らせて1週間後に死亡させたものです。

 指導者は事実関係を認めたということです。また教室の経営者についても、指導者の方針を事前に聞かされて了承していたとして書類送検されたものの不起訴処分になっています。

 判決では、指導者が「男児の成長を願って柔道の指導をする中で起きた事故であり、謝罪のために遺族を何度も訪ねるなど反省している」などとして罰金刑を選択しました。

 量刑の軽重については軽いのではないかという気もしますが、柔道での不適切指導によって児童生徒が死亡したりけがをした事故で、指導者が通常の刑事裁判を受けるのは初めてだということです。

 近年、指導者の不適切指導(場合によってはいじめやリンチともみなされるような行為も)によって、児童生徒が死亡したり重大なけがを負う柔道事故が社会問題化しています。新学習指導要領では中学校保健体育科で「武道必修化」がうたわれ、学校の部活動や民間教室のみならず学校の正規の授業でも柔道が導入される可能性も増え、それに伴って今の指導体制のままでは事故が増加することも危惧されています。

 柔道自体はスポーツとして健全な発展がなされるべきでしょう。それには、指導者が安全に徹底的に配慮し、事故を未然に防ぐただ手を取っていくことこそが必要になってきます。柔道指導の安全性を向上させるためにも、この判決を重く受け止め、指導改善に役立てていかなければなりません。

(参考)
◎柔道練習事故で指導者有罪 大阪、過失致死を認定(共同通信 2011/10/5)
◎受け身指導不十分…柔道小1死亡で罰金百万円(読売新聞 2011/10/5)
◎元整骨院長に罰金100万円 柔道指導で小1死亡(朝日新聞 2011/10/5)