「君が代」再雇用拒否:最高裁で「合憲」の判決

 卒業式での「君が代」不起立で戒告処分を受けたうえ、定年退職後の嘱託教員再雇用を希望したにもかかわらず不採用になったとして、東京都立高校の元教諭が「起立を命じる職務命令は憲法違反」などとして訴えた訴訟で、最高裁は5月30日、元教諭の上告を棄却し違憲ではないと結論づける不当判決を出しました。

 一審東京地裁判決(2009年1月19日)では、職務命令は合憲としながらも再雇用拒否などは裁量権の逸脱と結論づけ、東京都に約220万円の損害賠償を命じる判決を出しました。しかし二審東京高裁判決(2009年10月15日)では、処分なども裁量権の範囲内とする逆転判決を出しました。
 どう考えても、「君が代」不起立が教員の資質を左右するような行為だとは考えられません。
 嘱託教員についても、希望者はほぼ例外なく採用されるのが通例だということです。しかし「君が代」以外には「問題」(教育委員会が勝手に問題視しているだけですが)のない教員を不採用にするのは、普通に考えれば裁量権の逸脱であり、思想信条の自由を定めた憲法に抵触する行為としか考えられません。こんな行為を合憲扱いするなど、おかしなこともあるものです。
(参考)
◎君が代訴訟、起立命じる職務命令「合憲」 最高裁初判断(朝日新聞 2011/5/30)
◎卒業式で国歌の起立斉唱命令、最高裁が合憲判断(読売新聞 2011/5/30)