愛知いじめ後遺症自殺:いじめと自殺との因果関係認める

 愛知県名古屋市の私立名古屋経済大学市邨中学校1年だった女子生徒が2002年に同級生から悪質ないじめを受けて転校し、その後いじめの後遺症によって精神症状を発症して2006年に自殺した問題で、遺族が同校を経営する学校法人市邨学園などに約4260万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、5月20日に名古屋地裁で言い渡されました。

 判決ではいじめと自殺との因果関係を認め、学校側に約1490万円の支払いを命じました。
 生徒が在籍当時、同級生から靴に画びょうを入れられたり「キモイ」などの言葉を受けたことについて、判決ではいじめと認定しました。また生徒は1年修了時に地元の公立中学校に転校しましたが、自宅に無言電話がかかってくるなどしたといいます。
 生徒はいじめの後遺症が原因とするPTSDや解離性同一性障害と診断されました。治療を受けていたものの、事件から約4年たった2006年に、愛知県岩倉市の自宅マンションから飛び降り自殺しました。判決では生徒の自殺について、「学園関係者が何の対応も行わずに放置したため解離性障害を発症し、自死に至ったことは明らか」と指摘し、いじめの後遺症が原因と明確に認定しています。
 学校側はいじめと自殺との因果関係どころか、いじめそのものについても否定してきました。
 判決ではいじめの存在や、いじめと自殺との因果関係が明確に認定された形になりました。裁判の上では遺族側の勝訴といっていいのですが、その一方で生徒の命は帰ってこないという現実もあります。
 学校側はこの事件についてこれ以上争うことはやめて真摯に反省し、また同種のいじめ事案の再発防止に力を尽くすべきです。
(参考)
◎4年前のいじめで自殺、中学の責任認定 学園に賠償命令(朝日新聞 2011/5/20)
◎学校側に1500万円賠償命令 いじめ4年後自殺で名地裁判決(中日新聞 2011/5/20)
◎岩倉・少女自殺:過去のいじめ原因 学園側が放置…名地裁(毎日新聞 2011/5/20)
◎いじめ自殺で学校側に賠償責任 名古屋地裁(共同通信 2011/5/20)