金沢大学の不祥事隠蔽体質指摘される

 金沢大学で研究データねつ造やアカハラなどの不祥事を起こした教職員について、大学側が加害者の氏名や研究内容などの情報を徹底的に伏せて発表していることが指摘されています。


 同大学では2010年8月、アカハラ・セクハラ・暴行で教職員3人を懲戒処分した事実のみを公表したものの、「被害者の特定につながる」として加害者の実名・所属や事件の具体的な内容には触れませんでした。
 また2011年3月には、研究データをねつ造し文部科学省の補助金を不正受給していたことが発覚したとして、男性講師を懲戒解雇処分にしました。しかし当該者の氏名や研究分野については非公表のままとなっています。
 アカハラや研究データねつ造など、大学教員としての根幹にかかわる問題です。しかしそれにもかかわらず加害者の氏名や所属を徹底的に伏せることは、加害者を守ることにほかなりません。
 アカハラやセクハラなどでは「被害者の特定につながる」などともっともらしい口実をつけていますが、実際は加害者を実名発表したところで被害者の特定にはつながりません。むしろ加害者の不正行為を外部に知られないようにすることで、加害者が前歴を隠して何事もなかったかのように振る舞うことにつながり、加害者を不当に擁護することにつながるだけです。
 小中高校や特別支援学校でも、教育委員会が似たような口実をつけて加害者を守り通そうとする傾向があります。その結果、実名や所属が公表されなかったことをいいことに、暴行やセクハラなどの前歴を隠して他県に潜り込んだ加害者が再犯に至った例など、いくらでもありました。
 加害者の氏名・所属を徹底的に公表することでこそ、被害者を守り被害者の人権回復につながります。
 「加害者の人権」などと見当違いのことを主張する手合いもいます。しかし被害者の人権をないがしろにしているくせに、「他者に人権侵害を加える権利」「人権侵害行為を批判されると『加害者への人権侵害』と居直る権利」などを主張するのは、人権概念の曲解・濫用です。
 本当に人権を擁護する立場に立てば、加害者の氏名・所属の徹底的な公表によって再発防止策を図り、被害者の人権回復と新たな被害者を生み出すことを防止することこそが必要です。
(参考)
◎金沢大、捏造・セクハラ等処分者名を徹底非公表(読売新聞 2011/4/27)