体育祭練習中の事故:学校の過失認める:福岡

 体育祭の組み体操の練習中に落下して後遺症が残ったとして、福岡県立八幡中央高校(北九州市八幡西区)に通っていた元生徒の男性(現在21歳)と保護者が「教諭の安全管理が不十分だった」と主張して福岡県に約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁小倉支部は4月26日、男性側の訴えを一部認め、学校側の安全管理の不備を指摘して福岡県に約622万円の損害賠償を命じる判決を出しました。


 事故は2006年8月31日に発生しました。同校の柔道場で組み体操の練習がおこなわれ、別の生徒の肩の上に立つ「電柱」と呼ばれる技の練習をしていました。その際生徒は、別の生徒に肩車をしてもらっていた状態から後方へ落下し首を骨折するけがを負いました。生徒は胸から下が動かなくなる後遺症が残りました。
 生徒側は「『電柱』の練習は初めてで、指導に当たっていた教諭6人は危険性を予測できたにもかかわらず漠然と指導し、事故防止のための介助などをしなかった」と主張しました。一方で福岡県は「練習の休憩中にふざけていて事故が起こった。生徒は落下直前、ふざけて意図的に体を後ろにそらすなど無理な体勢をとった。危険性は予測できなかった」などと反論しました。
 判決では学校側の予見可能性や過失を認める一方、生徒側が意図的にふざけていたとも認定しています。
 生徒側については、認められた部分を重視して控訴を控えるか、それとも「意図的にふざけていた」など不利な認定を不服として控訴するかどうかは、関係者の自主的な判断にはなるでしょう。一方で福岡県については、同種の事故を防ぐという意味でも、また生徒側の心情を考えて早期救済を図るという意味でも、県からの控訴は控えるべきです。
(参考)
◎授業で首骨折 後遺症、福岡県に622万円賠償命令(読売新聞 2011/4/26)
◎学校事故:一部認め福岡県に賠償命令 組み体操で後遺症(毎日新聞 2011/4/26)
◎組体操で障害、元高校生の訴え認める 福岡県に賠償命令(朝日新聞 2011/4/26)