東日本大震災:災害共済給付制度の特例的適用検討へ

 東日本大震災の際に学校などで被災して死傷した児童・生徒について、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」の適用の可否を文部科学省が検討していることがわかりました。


 災害共済給付制度では、学校管理下で災害にあったときに給付金が支払われることになっています。しかし自然災害については適用対象外だと定めています。
 東日本大震災では、宮城県石巻市立大川小学校で学校から集団避難中の児童・教職員が津波に巻き込まれ、約8割が死亡・行方不明になる事故が発生しました。また園児を乗せて自宅まで送り届けたり集団避難しようとしていた幼稚園の送迎バスが津波で流され、乗っていた園児が死亡する事故も、少なくとも2ヶ所(宮城県石巻市・山元町)で発生しています。
 一方で現行制度上、避難誘導中に死傷した教職員は公務災害として補償される可能性が高いとみられています。教職員と児童・生徒への制度は別体系だといえども、教職員とともに避難中に死傷した児童・生徒が対象外になるのは社会的な理解を得られないのではないか、特例的に給付を適用できないものかという意見があがり、特例制度の検討に入るということです。
 過去には1983年5月26日11時59分頃に発生した日本海中部地震で、遠足中の海岸で地震に遭い、津波に巻き込まれて死亡した秋田県合川町立(現・北秋田市立)合川南小学校の児童に対し、特例として災害見舞金が支給された前例がありました。
 一方で、帰宅後に津波に巻き込まれて死傷した児童・生徒には、被害状況自体はほぼ同じにもかかわらず学校管理外として、特例でも対象外になる可能性があり、このあたりの整合性をどうとるかも指摘されているといいます。
 また財政的にも、仮に給付するとなった場合財源が足りなくなる可能性があることも指摘されています。
 難しい問題を抱えていますが、可能な限り適用できるよう、必要な制度整備が望まれます。
(参考)
◎学校震災死の児童・生徒、給付金支給の可否検討(読売新聞 2011/4/24)
◎震災死児童に災害共済金検討 「帰宅後は除外」に異論も(朝日新聞 2011/4/25)