福島県からの避難者へ悪質な差別相次ぐ

 東日本大震災と福島第一原子力発電事故の影響で福島県外に避難した被災者に対し、差別的ともとれる悪質な仕打ちをおこなう心ない者が相次いでいるというニュースが流れています。


 『読売新聞』2011年4月21日付『福島ナンバー拒否、教室で陰口…風評被害に苦悩』が、差別的対応の一端を紹介しています。
 学校関係だけでも、以下のような内容が紹介されていました。

 「福島県から来たことを隠しますか」。福島県南相馬市の男子児童は千葉県内の小学校への転入手続きで、教師からこう聞かれた。母親は意味がよく分からずに「隠さなくていい」と答えた。男児の席は教卓の前で左右は空席になっていた。
 日本弁護士連合会によると、母親は弁護士に相談し、「原発事故による一時転入なので学校に改善を求めると子供が居づらくなる」と話したという。
 南相馬市から群馬県へ避難した小学生の女子児童は、「福島県から来た」とクラスの子供から避けられたり、陰口を言われたりして不登校になった。
 千葉県船橋市教委は、南相馬市から来た小学生の兄弟が嫌がらせを受けたとする連絡があり、「子供たちに避難者の気持ちを考えるよう指導するように」と小中学校に通知を出した。

 記事での最初の事例は学校ぐるみで組織的におこなったいじめ・差別であり、きわめて悪質です。また2番目・3番目の事例についても、周りの大人の差別的な対応が子どもにも影響していることが考えられます。
 記事ではこのほか、一般社会での対応として、福島県いわき市内の運送会社が取引先から「いわきナンバーでくるな」と指示されたことも紹介されています。
 『読売新聞』では「風評被害」と抑えた書き方をしていたすが、実態は悪質な差別であり人権侵害だといえます。
 こういう悪質な対応をおこなっている企業や学校については記事では伏せられていますが、こういう企業・学校は組織名や所在地を積極的に公開すべきです。こういう主張をすると、当該企業や学校の関係者は「報道被害・自分たちへの人権侵害」などと見当はずれの主張を振りかざすことも多くあります。しかし自分たちの人権侵害加害行為を棚に上げて「人権侵害の被害者」面するようなそんな主張は、人権概念の曲解・悪用に過ぎません。
 自分たちのしたことが正しいというのなら、自分たちの行為が社会的に知られたところでどうということがないでしょうし、他人に知られて都合が悪いことなら最初からしなければいいだけのことです。またこういう悪質な企業・学校の公表は、福島県からの避難者の人権を守ることにもつながります。