生徒への暴力で中学校教諭停職:大阪市

 大阪市教育委員会は4月7日、顧問を務めるバスケットボール部の部員5人に「指導」と称して暴行を加えたとして、西淀川区内の市立中学校の男性教諭(31)を3月31日付で停職2ヶ月の懲戒処分にしたと発表しました。

 事件は2011年2月10日と15日に発生しました。教諭は練習時の服装や態度などを口実に、部員を体育教官室に呼び出して平手打ちしたり、胸ぐらをつかんでいすに押しつけるなどの暴行を加えました。2年生の男子生徒計5人が被害に遭い、うち1人が首を捻挫するけがをしたということです。被害生徒は警察に被害届を出しました。
 悪質な暴力行為であり、停職処分に踏み切ったこと自体は支持できます。生徒への暴力やいわゆる「体罰」などについては、停職や懲戒免職の処分を積極的に適用していかなければなりません。
 しかしその一方で、加害者の氏名や事件の発生した学校名を伏せていることは支持できるものではありません。加害者の氏名は実名公表すべきですし、事件のあった学校名も公表すべきです。
 このような暴力事件を再び起こさせないようにするためには、加害者の個人名を発表することが必要です。加害者の氏名を伏せることでは、加害者はどこかに転勤した際に処分の前歴を新しい赴任先に知られないことをいいことに、再び凶行に及ぶ危険性すら考えられます。
 「教師の人権」などと見当違いのことを持ち出して匿名公表を正当化する風潮もあります。しかし「人権」といいたいのなら、その前に被害生徒の人権はどうなるのでしょうか。また加害者が再び凶行に及ぶことで新たな人権侵害の被害者を生み出した場合、新たな被害者の人権はどうなるのでしょうか。人権侵害行為を正当化するために「(人権侵害をおこなう“権利”を守るという歪曲した意味での)人権」を振り回すなど、本来の意味での人権擁護に敵対する行為です。
(参考)
◎体罰:中学教諭の男性を懲戒処分--大阪市教委 /大阪(毎日新聞 2011/4/8)