「体罰」報告書、教員氏名などの非開示を取り消す判決:大阪高裁

 教師による児童・生徒への暴行事件(いわゆる「体罰」事件)の報告書を兵庫県教育委員会が一部非公開にしたことを不服として、馬場健一・神戸大学教授が非公開決定取り消しを求めた訴訟で、大阪高裁は2月2日、一審神戸地裁判決に引き続き、学校名や加害教員名の非公開決定取り消しを命じる判決を出しました。


 馬場教授は兵庫県教育委員会に対して同種の訴訟や開示請求を複数起こしていますが、今回争われていたのは2004~05年度に兵庫県教育委員会に報告された「体罰」事件についての開示請求でした。
 なお2001年度分の開示を求めた別の訴訟では、教員名の開示を命じる判決が最高裁で確定しています。
 今回の判決では、「体罰について調査や報告がされたという情報は、公務員の私事に関する情報には該当しない」と指摘されています。当然の判断だといえます。
 暴力事件(いわゆる「体罰」事件)の事実関係や、暴力教師の氏名を開示することは、教員のプライバシーには該当しません。逆にプライバシーを曲解し、加害者の処分の事実を周囲に伏せることで、加害者は以前の事件を周囲に知られないまま、再び暴力事件を繰り返すという例は今までも多くありました。
 周囲に知られないからこそ、同種の不法行為を平気で繰り返す余地が生まれるのです。抑止力の一環としても、加害者の氏名開示は必要です。
(参考)
◎二審も公開求める 県教委体罰教員名 大阪高裁(神戸新聞 2011/2/3)