丸子実業高校いじめ自殺事件:「名誉毀損」訴訟の裏側

 長野県丸子実業高校のいじめ自殺事件(2005年)では、加害者側が遺族を訴えるという前代未聞の事態になりました。さらに当時の校長も名誉毀損として遺族を訴え、校長の側の訴えが認められて遺族や担当弁護士に賠償を命じる判決が1月14日付で出されたというニュースが報じられました。

 校長は「いじめ問題をめぐって自分が刑事告訴されたことや、遺族側がブログで事実関係を発表したことは名誉毀損」などと主張したらしい。

 訴訟は判決直後に新聞報道されていました。しかしニュース記事だけでは正直言ってわからない部分が多すぎる状態で、当ブログで取り上げることは今まであえて見送っていました。

 事件の背景に迫る情報が『日本の子どもたち』サイト様(2011年1月19日付)に出ていました。サイトの記述によると、遺族側が裁判に耐えられるような精神状態ではなく、反論がほとんどできない状況だったということです。

 しかし資料を総合すれば、自殺した生徒へのいじめがあったことは事実だということは、疑う余地もありません。

 いじめ被害を訴えれば、加害者や学校関係者が「自分たちこそが、『モンスターペアレント』から誹謗中傷の被害を受けた」かのように図々しくも事実関係をすり替えて被害者を公然と攻撃する――こんなこと自体が、きわめて異常なことです。

 この事件だけではなく、犯罪者や不法行為者が自らの犯罪や不法行為を問題視されると「自分への人権侵害」と居直り、被害者を「自分を陥れた加害者」かのように扱って攻撃する「権利」があるとばかりに振る舞う風潮や、人権概念を曲解してそのような行為を擁護し正当化する風潮(俗に「人権屋」と揶揄されるような行為)も一部にありますが、こういうことは本来許されません。

 裁判所も、加害者や学校の言い分を追認する形になるのは、社会正義に著しく反します。

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