「体罰」事件の報告書、一部開示求める答申:兵庫県

 2006年~09年度に兵庫県内の学校で発生した対生徒暴行(いわゆる「体罰」)事件の報告書について、馬場健一・神戸大学教授が兵庫県教育委員会に開示を申し立てたものの、県教委は学校名や教員名などを非公開にした問題で、兵庫県情報公開・個人情報保護審議会は1月24日までに「学校名と校長名は公開すべき」とする答申を出しました。

 この件とは別に、馬場教授は以前、2004年~05年度の「体罰」報告書についても開示を求め、同様に非公開にされたとして異議申し立てをおこなっていました。前回の申し立てについても、審議会は同様に「学校名と校長名については公開すべき」という答申が出しました。いわば2度目の答申となります。
 前回の開示請求については、答申を受けても兵庫県教委が非開示を強行したため、馬場教授が提訴し、一審神戸地裁では学校名と校長名だけにとどまらず、加害教員名まで開示を命じる判決が出されました。しかし兵庫県が控訴し係争中です。
 兵庫県は2度目の答申を重く受け止め、今までの対応を改めて全面開示に踏み切るべきです。
 暴行事件・「体罰」事件の加害者氏名や学校名については、プライバシーには当たりません。教員の立場を悪用した不法行為に対して、「プライバシー」を盾に隠蔽しようというのは、人権概念の悪用・曲解にほかなりません。加害者教師の不法行為の事実が世間に知られないまま、何事もなかったかのように異動させることで、新たな暴力の被害者が生まれるという例はいくつもありました。再発を防ぐ一環として、加害者氏名の公表は重要です。
 人権侵害行為の再発を防ぐことを、人権侵害の加害者が自らの人権侵害行為を“妨害”されたという屁理屈での「人権侵害」とはいいません。まずは被害にあった児童・生徒の人権や、新たな暴行で人権侵害の被害者を増やすおそれがあることについて真摯に見つめ直すべきです。
(参考)
◎体罰報告書の学校、校長名 2度目の「公開」答申(神戸新聞 2011/1/25)