特別支援学校拡充計画、障害者団体が反発:大阪市

 大阪市で市立特別支援学校を拡充する方針が出されたことに対して、大阪市内の障害者団体が抗議集会を開いたということです。

 大阪市では知的障害特別支援学校への入学希望者が増加し、各学校での施設の過密化が深刻な問題になっています。
 大阪市では大阪市立難波特別支援学校(浪速区)の過密化解消として、大阪市立栄小学校(浪速区)を別の場所に縮小移転させ、現栄小学校敷地に難波特別支援学校を移転・拡充させる方針を決めました(※栄小学校は1学年1学級の単学級校にもかかわらず敷地面積が平均的な大阪市立小学校の4倍以上あり、空き教室が30教室以上になっていて施設管理上の不便が生じています)。特別支援学校を2校程度増設する計画も検討中だということです。

 一方で障害者団体は「インクルーシブ教育の理念に逆行している」などとして、地域の学校での受け入れを求めて特別支援学校の拡充や増設に反対しているといいます。

 インクルーシブ教育の理念自体は重要です。しかしインクルーシブ教育の理念を「特別支援学校=障害者差別・障害者隔離の象徴」かのように一面的・教条的に矮小化してとらえているかのようにも受け取れる扱い方をするのは正しくありません。特別支援教育や障害者運動の歴史を一部障害者運動が自ら否定するような形になり、障害者の教育権をほかの障害者グループが奪うようにもとれるような形になってしまうのは望ましくありません。

 特別支援教育は、一人一人にあった形で丁寧に実施していかなければなりません。障害の状況や本人の希望などを総合的に考慮し、その人にあった場所での丁寧な教育こそが求められているといえます。

 「特別支援学校の拡充」と「地域の学校での受け入れ体制の拡充」はどちらか片方しかできないというような相対立するものではなく、両方とも同時に追求すべきだし両立できるものではないのでしょうか。

(参考)
◎知的障害者ら 特別支援学校拡充に抗議(毎日放送 2010/10/8)
◎障害者団体 「特別支援学校」増設に反対集会(関西テレビ 2010/10/8)