小中学校の夏休み短縮、広がる

 共同通信の調査によると、年間の授業日数を確保するために公立小中学校の夏休みを減らす動きが、各地で広がっているということです。

「夏休み短縮」広がる 授業時間確保、22市区で〔『共同通信』2006/7/17〕
 小中学校の夏休みを短縮する動きが広がっている。共同通信が全国の政令指定都市、中核市計51市と東京23区を調べた結果、年間の授業日数を増やすために夏休みを純減した自治体は2市6区、1校でも短縮する学校がある自治体は11市3区に上った。
 学校週5日制で減った授業時間の確保が主な目的だが、現場からは「夏休みにしかできない体験を大切にすべきだ」と疑問の声も上がっている。
 東京都内では、葛飾区が昨年の中学に続き小学校でも1週間短くするのをはじめ、新宿区(小中で5日間)、豊島区(同2-4日間)なども短縮。富山市も試行的に3日間短くする。

 学校週5日制で学習指導要領に規定された授業時間の確保が難しくなっていること、また学力低下への不安などから、長期休暇を減らすことで埋め合わせることになるようです。
 現行の制度のもとではこうするしかないのかもしれません。しかし現場からは「夏休みにしかできない体験を大切にすべきだ」と疑問の声も上がっているとのことで、その意見も正論だといえます。
 マクロな視点に目を転じると、国際的な学力検査で上位を占める国は、日本よりも総授業時間数が少ない傾向にあります。そういった国では、基礎・基本の充実や、自ら考える力の育成など、日本の学校教育では不十分な点を重視して、結果的に学力上位となっているとのこと。
 日本の学習指導要領は、「非系統的・断片的」などといったことが指摘されています。週5日制で物理的な授業時数が減ったことも相まって、基礎・基本を身につけるのがより難しくなり、学力低下が心配されるという悪循環になっているといえます。
 「授業時間確保のために夏休み短縮」という現象が出ることは、現行の学習指導要領の体制そのものに無理があるということを示す現象のひとつだという気がします。学習指導要領そのものを抜本的に見直し、基礎・基本を確実に身につけられるような教育課程の編成へと変えていくことが重要になってくると考えられます。