中教審・教員免許更新制の答申を提出

 中央教育審議会は7月11日、答申「今後の教員養成・免許制度の在り方について」をまとめ、小坂憲次文部科学相に提出しました。この答申では、教員免許の10年ごとの更新制を導入することなどがうたわれています。


 答申の内容そのものは審議の段階で明らかになっているので、特に目新しい内容が提起されているわけではありません。
 ただ、教員免許の更新制については、導入に意義が見いだせないものであることが明らかになりつつあります。当サイトとしても、教員免許の更新制には強く反対したいと考えています。
 中教審の審議では当初「不適格教員の排除」を建前にしてきました。
 確かに、児童・生徒に対して日常的に「体罰」や暴力・虐待行為などをおこなうような教員が一定数いることも事実です。そういった不適格教員は断固として排除されなければならないでしょう。しかしそんな教員は、現行法の規定を厳格に適用することで排除することは可能です。
 「不適格教員の排除」という前提が崩れたのか、中教審での審議の過程で「不適格教員の排除を目的とするものではなく、教員の資質向上のために更新制を導入する」と、教員免許更新制導入の目的が変化しています。
 しかし「教員の資質向上」というのなら、子どもと向き合う時間が十分に保障される体制の構築や、教材研究や教育理論の研究などを自主的におこなえる時間が保障される体制の構築のほうがよほど実効的です。
 現在の学校では「教員の多忙化」がいわれ、教員の事務作業が過剰になって、児童・生徒に向き合う時間や教材研究・授業研究の時間が十分にとれないという問題が、全国各地で起こっています。
 そんな現状を放置して更新制を導入して、現場から切り離した講習に時間を費やしても、学校現場のゆがみは拡大するだけではないかと考えられます。
 また教員免許の更新制では、善意の教職員を萎縮させ、逆に不適格教員・問題教師はずるがしこく立ち回るだけではないかとも思われます。
 また、教員免許を取得したものの別の職業に就いた人にも更新制を適用するということは、教員免許保持者への負担を増し、「教員養成の開放制」の原則を否定することにもつながりません。
 日本の学校教育をさらなる混迷に落としかねないような、教員免許の更新制導入については、撤回を求めたいと思います。