頭髪の黒染め指導:参議院で質問主意書

 大阪府立懐風館高校の「黒染め強要」訴訟問題。このほど真山勇一参議院議員(民進党・新緑風会、神奈川県選挙区)が『学校現場における毛髪の染色指導に関する質問主意書』を提出し、政府から答弁書を受領したとのこと。

 参議院のウェブサイトには11月14日時点では答弁書はアップされていないが、近くアップされることになると思われる。真山議員がツイッターで、答弁書の画像を、文章が読める形でアップしている。

 質問主意書とそれに対する答弁書の内容(いずれも要旨)は、以下の通りとなっている。

Q1 政府は学校現場で、生まれつき黒くない毛髪を黒く染色する指導がなされていることを把握しているか。
――A1 把握していない。

Q2 生来の身体的特徴を否定するのは人権侵害にあたるという指摘がある。政府の見解は。
Q3 「地毛登録」に関する政府の見解は。
――A2およびA3 質問の指摘する意味が必ずしも明らかではないため回答困難。生徒指導は一人一人の人格・個性を尊重し、社会的資質や行動力を高めることを図っておこなわれるべきと考える。

Q4 報道によると、当該校では「たとえ金髪の外国人でも黒く染めさせる」と発言したという。これは「本邦外出身者による不当な差別」に該当する恐れがあるのではないか。
――A4 係争中の案件につき回答は差し控える。

Q5 政府は日本社会の多様性を前提とした「共生社会」の実現に向けて努力していると承知している。他者と異なる身体的特徴を持つ生徒を学校現場の多様性として歓迎するのか、それとも同化・排除を迫るのか。
――A5 質問の指摘する意味が必ずしも明らかではないが、人権教育および人権啓発の取り組みを進めている。

 「政府・文部科学省では、頭髪指導の実態は把握していない」とした上で、すべて抽象論・一般論としての生徒指導や人権教育の取り組みを紹介するにとどまっている。

 これでは、実質的に何もしていないに等しいと批判されてもおかしくないのではないかとも感じる。

 頭髪指導の問題では、行政では実態について詳細な調査をおこなっていないとしても、マスコミや教育学者・教育関連団体などから指摘されたことは今回が初めてではない。少なくとも数十年も前から度々指摘されてきたことである。

 政府としても実態を調査・把握の上で、必要な場合は対応をとることが求められるのではないか。

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