岩手県立高校「体罰」訴訟:不適切指導一部認める

 岩手県立盛岡第一高校に在学していた当時、所属していたバレーボール部で顧問からの「体罰」を受けたことが原因で不登校になり精神的苦痛を受けたとして、卒業生の男性が約200万円の損害賠償を求めて訴えていた訴訟で、盛岡地裁は11月10日、教諭の指導の一部は「適切さを欠いている」として、岩手県に20万円の賠償を命じる判決を出した。

 事件は2008年に起きたという。顧問教諭は部内で「体罰」を繰り返し、生徒は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症して登校できなくなった。

 判決では、顧問教諭の指導について、原告に対して直接の「体罰」があったとは認定せず、不登校と「体罰」との因果関係は認定しなかった。

 その一方で、部屋で一対一の指導をした際、一方的に威圧するような叱責行為、教諭が机を蹴り上げた行為・持っていたカギを壁に投げつけたなどの行為があったと認定し、それらの行為については「正当性を欠いている」と判断し、不法行為と認定した。教諭個人への賠償責任については、国家賠償法の規定により岩手県が責任を負うのが相当として退けられた。

 ごく一部は認定されたものの、認定範囲は不十分ではないかという印象も受ける。認定された部分を重く受け止める、もしくはより広い範囲での認定を求めて控訴するかどうかは、原告側の判断次第となる。

 しかし岩手県は、教諭が不適切な「指導」をおこない不法行為と認定されたことについて、重く受け止めるべきである。県のほうから控訴すべきではないし、このような事件を起こさせないような対応をとるべきである。

(参考)
◎県に20万円賠償命令 盛岡地裁、県立高部活暴力暴言訴訟(岩手日報 2017/11/11)
◎「部活指導行き過ぎ」県に20万円の賠償命令 盛岡地裁(朝日新聞 2017/11/11)

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