大阪府立懐風館高校「黒染め強要」問題:松井大阪府知事が認識語る

 松井一郎大阪府知事は10月31日、大阪府立懐風館高校3年の女子生徒が「生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう強要され不登校に追い込まれた」として提訴している問題に触れ、「生まれついての身体特徴をなぜ変える必要があるのか。大いに疑問」とする認識を示し、子どもに寄り添う形で教育行政を進めてほしいと話した。

 その一方で松井知事は、指導については学校側の言い分もあるとして、訴訟で事実を解明するよう求める方針を示した。

 この問題は、黒く染めるよう繰り返し迫られた生徒が、染髪料によって頭皮や頭髪にも健康被害が出たうえ、教師からは「黒染めが十分ではない」として授業や行事への参加を禁じられ、登校できない状態にさせられたとされるものである。また生徒は、教師から「母子家庭だから髪を染めているのか」と暴言を受けたとも訴えている。

 「生まれつき髪の毛の色が茶色いにもかかわらず、教師から黒く染めるよう強要されるなどして不登校になった」などとして、大阪府立懐風館高校(羽曳...

 この事案については、維新府政になってからのこの10年来の、統制的な大阪府の教育行政が背景にあるのではないかとも指摘されている。

 維新府政になってから実施された大阪府の教育条例により、「3年連続定員割れの高校は再編検討の対象にする」という方針に加え、公立高校学区の撤廃なども重なり、学校間での生徒獲得競争が激化していることが背景にあるのではないかという指摘である。

 世間の茶髪に対する否定的な目を背景に、学校側が「生徒指導をきちんとしている高校」「就職や指定校推薦での進学に強いことを売りにする高校」として特徴を持たせようとすることも、教育条例による生徒獲得競争や教員への管理体制など高校現場へのひずみと負の相乗効果をもたらして、頭髪指導の激化にもつながっているという指摘もある。その指導の激化が、もはや指導とはいえないような人権侵害の域に達しているのではないかという見方もある。

 これらの背景についても検討の必要がある。

(参考)
◎松井知事、府立高の黒髪強要に疑義「生まれついての身体特徴をなぜ変える必要があるのか」(サンケイスポーツ 2017/10/31)

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