高等教育無償化「対象大学の限定を検討」茂木担当相

 茂木敏充・人づくり革命担当相は10月27日、授業料無償化や給付制奨学金制度など高等教育無償化の対象になる学生について、「産業界から人材を受け入れるなど実社会で評価されている大学に限定すべきだ」などと発言した。

 「政府の担当者によると、講義の内容やガバナンス(統治)などが一定の基準に達していることなども考慮される可能性があるという。」(毎日新聞2017年10月28日『茂木担当相 無償化「大学を限定」 対象基準を検討』)とも報じられている。

 これは、高等教育無償化の方針を事実上骨抜きにするという意味でも、政府が大学・学問の内容を選別し介入することにもつながりかねないという意味でも、危険な方針ではないか。

 大学での学問内容について、「短期的に見て産業界の儲けにつながる分野」だけが重用されるというのは、おかしなことになる。直接的な産業界の儲けにはつながらなくても、基礎研究が各分野の学問研究の土台を支えていることには全く配慮がないのだろうか。

 また「実社会での評価」を「産業界からの人材受け入れ」という狭い限定的な基準一辺倒にするのもおかしくなる。

 さらに、大学での講義の内容やガバナンスなどを政府機関が審査し学生への処遇にも反映させるということになると、自主的自律的な学問研究の気風が骨抜きにされ、政府の意に沿った研究のみが進められるということにもなりかねない。大学自治や学問の自主性としても問題ではないか。

 授業料の軽減・無償化や給付制奨学金制度などについては、できるだけ早期に必要な対策を導入し拡充させる方策が求められている。しかしこのような政府の発想では、学生や大学関係者の思いに逆行することにもなりかねない。

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