森友学園国有地取引、値引き額は「6億円程度過大」:会計検査院

 森友学園の国有地取引問題について、土地売却額の妥当性を精査していた会計検査院が、「ゴミ撤去費は2億~4億円程度。値引き額は最大で6億円程度過大になる」と試算していることが、10月25日までにわかった。

 この問題では、弁護士グループが独自調査した際、値引き額は少なくとも3億円程度過大に見積もられたという別の試算も出されている。

 学校法人森友学園の国有地不明朗取引問題で、土地売買価格について弁護士グループが専門家に鑑定を依頼したところ、国が値引きの根拠としたゴミの撤...

 「本来は売主の責任でおこなうゴミ撤去を学園側でおこなう代わりに、売却額からゴミ撤去費用相当額を相殺して、値引きして売却する」という理屈で、8億円の値引き額が設定されたものの、その値引き額が過大だったということになる。弁護士グループの独自調査に続いて、会計検査院も過大とする試算を出したことになる。

 問題の土地は、大阪空港の騒音対策として、1970年代に当時の運輸省が民家の土地を買い上げ、その後豊中市の都市計画に伴う区画整理で換地によって集約されて1ヶ所の広大な土地となった。豊中市は防災公園として購入したいという意向を持っていたが、価格が高すぎて断念し、一部しか購入できなかった経緯がある。森友学園の問題の土地は、豊中市が当時購入できなかった部分にあたる。

 豊中市や、その後学校用地としての購入を希望した大阪音楽大学に対しては、定価に近い額での売却を持ちかけて話が流れた一方で、森友学園が新設小学校「瑞穂の國記念小學院」を設置するために土地の購入を希望した際には、不可解といえるほどの特別な措置がおこなわれたことになる。

 「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長には、安倍晋三首相の妻・安倍昭恵氏が就任していたことなど、安倍政権との密接な関係が背景にあったのではないかとする疑惑も指摘されている。

 またこの問題は、安倍政権のもとでの国有地取引の問題だけではなく、橋下徹・松井一郎の2代の大阪府知事にかかる維新府政での大阪府の私学政策とも密接に関連していることも指摘されている。国有地取引問題は、大阪府での不可解な私学設置認可過程とも一体になって実施されたことが判明している。

 大阪府私学審議会では学校の経営状態に不安が指摘されているもとで、また校地についても自己所有の原則にもかかわらず「認可審議時点では未取得だが、大阪府で学校設置認可されれば、学園側と国との土地契約が成立して取得できる見込み」の例外扱いで、事務局主導で「条件付き認可相当」答申を出したことで、土地取引問題が大きく動き出したことも指摘されている。

 元をたどれば、一連の森友問題のきっかけとなったのは、本来ならば小学校新設参入が困難だった学園側の要望を受け、門戸を開くような規制緩和をおこなう方針を決めた、当時の大阪府知事・橋下徹である。

 さらには、安倍首相や維新にもつながる「日本教育再生機構」・日本会議の意向を受けた極右的・復古主義的な教育思想が、当時の森友学園の教育思想と一致していたことで、相互に利用し合う関係になっていたことも背景にある。

 いずれにしても、土地取引には異例の便宜が図られたことになる。安倍政権の元での国の対応、維新府政のもとでの大阪府の対応、それぞれについて、詳細に解明していかなければならない。

(参考)
◎森友への値引き6億円過大 国有地売却、会計検査院が疑義(共同通信 2017/10/26)

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