「教諭のスラップ訴訟で被害受けた」保護者の提訴を棄却:埼玉県行田市

 埼玉県行田市立小学校の女性教諭が2010年、当時担任していたクラスの児童に対していじめ同然の「指導」をおこなって児童の親から抗議されたことに逆恨みし、「モンスターペアレントからの嫌がらせで不眠症になった」などと主張して児童の両親へのスラップ訴訟を起こした事件があった。

 この事件に関して、被害に遭った両親側が「教諭の指導は不当。提訴も違法」として当該教諭や行田市教委を相手取り損害賠償を求めて訴えた訴訟で、さいたま地裁熊谷支部は10月23日、両親側の請求を棄却する不当判決を出した。

 事件の発端となった教諭のいじめは、2010年6月に発生した。

埼玉県行田市立小学校の教諭が児童に不適切指導をおこなって保護者から抗議を受けると、逆恨みで児童へのいじめ行為を繰り返した上、児童の保護者を「...

 原告の娘である女子児童(当時小学校3年)が2010年6月、「教室で別の児童から殴られた」と教諭(事件当時45歳)に訴えた際、教諭は「この児童と、相手の児童のどちらが悪いかをクラスの多数決で決める。クラスの声を聞いた結果、被害を訴えた児童の方が悪いという声が多かったとして、殴られた児童はクラスの前で謝れと強要した」と、トラブルの事実関係そのものの経過とは関わりなく、とうてい生徒指導には値しない、いじめ同然の極めて不適切な行為をおこなった。

 事件を知った両親は教諭に抗議した。しかし教諭は抗議に対して「モンスターペアレントからの嫌がらせ」と被害者面し、両親への攻撃を強め、また女子児童にささいなことに言いがかりをつけてクラス全員の前で激しく罵倒するなどのいじめ・つるし上げも継続した。教諭の態度により、この児童をいじめてもいいというメッセージを発した形にもなり、同級生から児童へのいじめも発生した。

 両親は児童にICレコーダーを持たせると、教諭の嫌がらせ・いじめの声が録音されていた。その録音音声がテレビニュースで公開された。

 埼玉県行田市立小学校で3年生を担任する女性教諭が「担任クラスの児童の保護者からいわれのない抗議を執拗に受けて不眠症になった」として当該保護...

 学校側は一連の事件に関して、適切に対応せずに教諭を擁護し、学校ぐるみで女子児童と両親をいじめる形になった。

 さらに教諭は「モンスターペアレントからの執拗な嫌がらせで不眠症になった」「自分がこの児童を叩いたことを、『体罰』・暴力行為だとして警察に被害届を出されて、精神的苦痛を受けた」と言いがかりをつけ、個人として両親を提訴する嫌がらせに至った。この訴訟は「保護者側の行為はおおむね正当で、教諭の主張はあたらない」として、教諭側敗訴が確定した。

 教諭の行為は卑劣極まりない、人間性を疑うものである。チンピラ同然の言いがかり・異常行為であるといってもいい。

 今回の訴訟は、これらの教諭の行為で苦痛を受けたとして両親が訴えたものだという。

 しかし判決では、教諭の行為について「児童への対応は、多少やりすぎはあったが全体的に正当な指導」「教諭の提訴は著しく相当性を欠くとは認められず、正当な訴訟活動の範囲」として、両親側の請求を棄却した。

 この判決内容は、教諭が起こした訴訟の判決内容を否定することにもなる。いじめ・嫌がらせが「教師としての正当な指導」で、気に入らない保護者・しかも自分の不適切行為に苦情を寄せた保護者に逆恨みして個人的感情だけで嫌がらせをする目的でのスラップ訴訟も「正当」であると宣言したに等しい、とんでもない判決ではないか。

 このような異常行為・低劣な嫌がらせを繰り返す教師に目をつけられたときには、泣き寝入りしろ、抗議するのは逆に教師への嫌がらせになるとでも言いたいのかと思われるようなこのような不当判決は、決して容認できるものではない。

(参考)
◎「教諭の行為、どこに抗議すれば」 賠償求めた両親敗訴(朝日新聞 2017/10/24)

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