大阪府立高校統廃合:対象となった長野北高校卒業生・保護者ら集会

 維新政治の元で「3年連続定員割れの学校は統廃合を検討」などとする条例が制定され、府立高校つぶしが続いている大阪府。

 2017年には長野北高校(河内長野市)と柏原東高校(柏原市)が新たな統廃合対象校として名前が挙がった。

 このことについて、対象校となったひとつの長野北高校の保護者や卒業生・地域住民ら関係者が「長野北高校を守る会」を結成した。9月23日に同会の主催で、河内長野市内で「長野北高校を守るみんなの集い」を開催した。

 集いの席上では、廃校方針を疑問視する声が次々と上がった。

 卒業生の男性(25)は、「中学校時代は数学が苦手だった。長野北高校に入学して、先生がていねいに教えてくれてわかるようになり、国公立大学に進学できた。今は大学院で学んでいる」と自らの経験を述べた。

 その上で「定員割れの学校では成長できないなんてことはない、と自信を持っていえます」と発言し、「定員に満たない学校は魅力がない。そこに通う生徒は成長しない(2015年9月3日、松井一郎大阪府知事)」などとする発想での高校統廃合計画を批判した。

 長野北高校の定員割れは、2015年度からの3年間で年平均15人、2016年度はわずか3人だった。毎年200人を超える生徒が同校に入学している。

 大阪府立高校は、定員に余裕をもって設定されている。2009年には、不況や私学助成金削減に伴う私立高校授業料値上げ(当時は橋下徹大阪府知事)といった要因を背景に、公立高校に志願者が殺到し、定時制の2次募集まで定員オーバーし不合格者を大量に生み出す事態が起きた。この経緯から、その後の定員は余裕をもたせている。どこかで定員割れが出るのは必然となっている。

 今後は中学生の減少が下げ止まりの傾向にあると推計され、高校統廃合の必然性はない、他県と比較して大きな学校規模(1学年平均8クラス)を小さくすることや、少人数学級の導入など、教育条件の向上で対応可能であることも指摘されている。

 また大阪府は、私立高校独自無償化とセットで、公立高校つぶしを進めていることにもなる。教育を受ける権利を考慮すると家庭の負担軽減そのものは当然何らかの方策をとられるべきではあるが、その一方で維新政治の元では制度設計に重大な瑕疵があり、公教育の縮小と私学経営者利権にしかなっていない、生徒や保護者にとっては大局的にみればデメリットが大きいのではないかとも指摘されている。

 大阪府はこれまでの高校統廃合計画でも、卒業生や保護者などから強い反対があったのを押し切って、統廃合を強行している。今回対象になった長野北高校についても、卒業生や保護者の声に真摯に耳を傾けるべきではないか。