松浦正人・山口県防府市長:「学び舎」教科書採択への抗議はがき投函認める

 「学び舎」の中学校社会科歴史教科書を採択した複数の国立・私立中学校に対し、組織的と思われる「抗議」はがきが大量に送付された問題に関連して、松浦正人山口県防府市長は9月25日の記者会見で、「抗議」のはがきを送っていたことを認めた。

 抗議はがきを投函するよう求める要望が、「採用を即刻中止することを望む」などの文面と宛名がすでに印刷されていたはがきとともに、松浦氏の事務所に届いた。内容に賛同し、「防府市長 松浦正人」の自筆署名を入れて投函したという。投函した時期については「2年半くらい前」(2015年春頃?)としている。

 この問題については、毎日放送のドキュメンタリー番組(関西地区ローカルでの放送)で「私立灘中学校(神戸市)での社会科歴史教科書の採択について、組織的と思われるような『抗議』があった」と2017年7月に紹介され、その後他の複数のマスコミも同様の内容を報じている。複数のマスコミの報道をまとめると、「学び舎」教科書を採択した国立・私立少なくとも十数校に「抗議」はがきが届いていた。

学び舎教科書採択:灘校に組織的と思われる抗議
 2017年7月30日に毎日放送で「映像'17 教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか」と題したドキュメント番組が放送された。  ...
学び舎教科書採択、少なくとも11校に抗議:毎日新聞が記事に
 2015年の中学校社会科歴史的分野の教科書採択に際して、「学び舎」の教科書を採択した国立・私立中学校に組織的と思われる抗議が届いていたと、...

 「学び舎」教科書については、従軍慰安婦問題を取り上げていることなどで、「抗議」はがきの投函を組織的に呼びかける動きがあり、呼びかける側が文面のテンプレートを作成していたとも指摘されている。はがきは匿名のものも多かったが、松浦市長や他の自治体首長、森友学園の籠池泰典理事長(当時)などの署名が入ったものもあったと報じられていた。

 松浦市長は「教育再生首長会議」にも参加し、安倍晋三首相にも近いとされている。防府市では2015年の教科書採択(2016年度より4年間使用)で、育鵬社の教科書を採択している。

 はがきを投函した理由については「抗議ではなくお願い」「教科書の内容が『反日極左』だと感じた」「偏った内容を子どもたちに教えるのは問題」などと話したという。

 特定のイデオロギーのごり押しのために、特に問題のない教科書の記述に難癖をつけて、組織的な圧力をかけるという動きは、極めて危険なものである。また「学び舎」教科書排斥の活動は、育鵬社教科書の押しつけ活動とも表裏一体のものであり、その意味でも危険だといえる。

(参考)
◎防府市長 慰安婦言及教科書「採択中止願うはがき」(毎日新聞 2017/9/26)