小学校英語:全教が見直しを要請

 Yahooニュースに寺沢拓敬氏(応用言語学者・関西学院大学社会学部准教授)の論考「全教:小学校英語の見直しを文科省に要請「教育現場に多大な負担」」(2017年9月22日付)が掲載された。

全日本教職員組合(全教)から「小学校英語反対」という画期的な要請が出された。なぜこれが「画期的」と言えるのか、背景を簡単に説明する。

 記事では、全日本教職員組合(全教)が9月15日付で、小学校での英語教育導入の見直しを求める要請をおこなったことが紹介されている。

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 筆者の寺沢氏はこのことについて、「画期的」と分析している。

 教科目の内容については、イデオロギーがらみの問題でもない限り教職員組合としての争点にはあがりにくいが、全教は「労働問題」としてとらえたと分析している。寺沢氏もかねてから、小学校英語は労働問題と訴えてきたという。

 全教の要請では、授業時間数の増加や、小学校教員は英語の教員免許を持っていないケースが大半であることなどを指摘し、教職員への負担につながることを指摘している。このことは旧来の英語教育での論争の主な論点になっていた【「早くから外国語を学ぶと国語がだめになる」「いや、ならない」とか、「訓練を受けていない小学校の先生が教えると英語の語感がだめになる」「慣れない先生が頑張って英語を使っている “姿勢” を子どもに見せるのが大事」】などといった、教育観の部分での問題から変化しているという指摘である。

 確かに、教職員への負担増や、労働問題という切り口からの再検討も必要であるといえる。少なくとも現時点での小学校の英語教育の導入は、教育観の問題としても合意の機が熟していないというだけでなく、英語教育導入に伴う教職員の負担の問題についても十分考慮されていないといえる。

 将来的に準備が十分整った時期の導入までは、一般論としては一概に否定できない。その一方で、現時点での、また今のような条件での小学校英語教育導入は、慎重ないしは反対の立場を鮮明にしてもおかしくないといえるのではないか。