大阪市2018年度市政運営方針案とりまとめる:保育や教育の分野では?

 大阪市は9月11日の幹部会議で、2018年度市政運営の基本方針をとりまとめた。

 教育や子育ての分野では、▼子どもの貧困対策を本格実施、▼待機児童対策として、保育を必要とする子どもの数を上回る保育所の入所枠を確保、▼ICT活用や英語教育の充実、▼中学校給食の改善、といった内容を掲げている。

 しかし大阪維新の会が与党の維新市政のもとで、大阪市の子育て・教育環境は大きく後退させられてきた。今回もこの後退路線の延長線上にある施策だといえる。

 「待機児童対策」「保育所の入所枠の確保」については、その言葉ひとつだけを取れば当然のようにも見える。しかし大阪市では、保育所をめぐる環境を悪化させてきた実態がある。

 大阪市では、従来では国の基準よりも余裕をもって設定されてきた児童一人あたりの保育面積基準を緩和し、同じ施設に多くの児童を詰め込むことができる「詰め込み保育」を可能にしている。また吉村洋文大阪市長と松井一郎大阪府知事は合同で、保育面積準緩和などを軸とした「保育特区」の設定を国に求めた。

 また、大阪維新の会・佐々木りえ大阪市議は2016年3月23日の大阪市会教育こども委員会で、保育士資格がない子育て経験者を保育者として積極的に登用すべきと求める質問をおこなっている。

 ICT活用や英語教育充実については、必要性や学校現場での活用手法などを十分に検討せず、単に「ICTを導入すればいい」「英語がしゃべれればいい」という薄い発想のもとで、現場の要望を通り越して教育委員会主導で導入していることにもなる。またこういった「目玉政策」を打ち出す一方で、全体の教育予算の総額は横ばいということは、従来の教育予算がこの手の「目玉政策」に取られることになり、従来の教育活動の予算がその分減少し、日常的な教育活動にもしわ寄せがくるということにもなる。

 大阪維新の会やその関係者はしばしば「未来への投資」「教育や子どもへの投資」というが、中身はデタラメなものである。

(参考)
◎大阪市 子ども貧困対策本格化へ(NHKニュース 2017/9/11)