維新「堺市は子育て支援が劣る」と攻撃、しかし実際は?

 大阪維新の会は堺市で、2017年9月24日投開票の堺市長選挙に向けて、堺市政が遅れているかのようなデマ宣伝を繰り返しているという。

 「堺市の不満や不安 女性777人にお聞きしました」とする大阪維新の会のビラでは、子育て支援や水道料金などについてデマ宣伝がされている。

堺市で配布された維新のデマビラ

大阪維新の会が配布したビラ

 子育て支援の問題については、「子育て支援が他に比べると劣っている(北区)」「保育園が少ない(西区)」「いつまでたっても中学校給食にならない(東区)」「小学校の学童保育の値段が高い(北区)」としている。

 そして、「大阪市は放課後預かり無料」と不正確な主張をしながら、堺市が遅れているかのように描いている。

 しかし、これはデマ、ないしは事実関係を恣意的にゆがめた主張である。

 堺市の子育て支援は「劣っている」ということはない。

 子育てしたい街のランキング調査では常に上位にくる堺市。第3子以降の保育料を無償化し、さらに対象を拡充する方策を打ち出している。待機児童は特定の地域や年齢に偏っているという課題はあるが、着実に解消している。

保育所

 維新ビラでは、待機児童ゼロの堺市西区だけ「保育園が少ない」と騒ぎ立てている。しかしそれならば、保育園が少ないというのは、さらに待機児童数が多い維新首長の大阪市や、その他の維新系首長の自治体も含めた全国的な課題ということにもなる。選挙でのネガティブキャンペーン目当てに堺市をあげつらうのは恣意的ということにもなる。

 大阪市など維新首長のいくつかの自治体で掲げられている「幼児教育無償化」を維新は打ち出しているが、現行制度では低所得層には補助金が手厚く分配される仕組みなので「無償化」の恩恵は高所得層の負担軽減優先になり待機児童解消などには直接役立たない、しかも財源は保育所民営化などでまかなう、などの疑問が指摘されている。

中学校給食

 中学校給食については、堺市では竹山市政のもとで選択制・弁当方式の中学校給食が導入された。将来的には自校調理などへの移行など、さらなる充実策を検討することが必要だろうが、中学校給食は「ない」かのように印象づけるのは事実に反する。

 維新が自賛する大阪市では、選択制弁当方式の中学校給食を導入したが、利用率が低迷した。維新市政のもとで、課題を解決しないまま全員喫食に切り替えたことで、「おかずが10度以下に冷やされた状態でおいしくない」など中学生からの不満が高まったが、当時の市長・橋下徹などは家庭に責任転嫁したり、「ふりかけの持ち込みを認めればいい」などおかしなことを言うだけだった。また異物混入続出などの問題も相次いだ。最終的には自校調理・親子調理の給食に移行することになり、2017年9月時点では準備のできた学校より順次移行を図っている状態となっている。しかし維新のおかげで、数年間混乱が続いたことになる。

 堺市の中学校給食も十分ではない点はあるが、維新市政での大阪市のような「解決」策を図ると取り返しの付かないことになる。

学童保育

 学童保育についても、大阪市は「無料」ではない。大阪市の学童保育は保護者の自主運営で、各施設ごとに利用料を設定し、平均では月1万5000円~2万円の高額となっている。

 堺市の学童保育事業は市の事業で、利用料は月額8000円。全国平均(5000円前後)よりもやや高めだとはいえども、大阪市の突き抜けた高水準よりは安く抑えられていることになる。

 ビラでの「大阪市では無料」なる記述は、学童保育とは位置づけられていない、大阪市独自の別の制度「児童いきいき放課後事業」と混同させてミスリードを図っていると思われる。

水道料金

 水道料金やその他の問題については当ブログの趣旨から外れるので、これはデマだという指摘にとどめ、維新のビラの内容を分析して事実を詳細に解説している別のサイトへのリンクを貼るにとどめる。

維新プレス、堺特集号Vol.1でまたデマ発覚   維新プレス 堺特集号vol.1という女性にターゲットを置いた配布物を大阪維新の会が今回配布。 しかしその内容が虚偽ばかりという。  

維新の主張はデマ

 上記でみてきたように、維新の主張は、明らかなデマ、ないしは悪意をもってミスリードを狙った記述だといえる。

 しかも維新は大阪府や大阪市で、教育・子育て支援を後退させてきた「実績」「成果」もある。それを棚に上げ、先進的な取り組みをしている堺市をまるで劣っているかのように描くのは、とんでもないことではないか。